脂肪燃焼効果高めるために知っておきたい「有酸素運動」の基本的原則  脂肪燃焼効果高めるために知っておきたい「有酸素運動」の基本的原則
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脂肪燃焼効果を高めるために知っておきたい『有酸素運動』の基本的原則

パーソナルボディメイクSYNAPSE代表。健康運動指導士。元陸上自衛隊非常勤体育講師。 現在は東急スポーツオアシス、エニタイムフィットネスなどを中心に東京都内で出張パーソナルトレーニング指導を展…
2018年09月26日
脂肪を減らす上で欠かせない運動でもある「有酸素運動」。しかし「有酸素運動をしているのになかなか脂肪が減らない…」とお困りの方も多いのでは?そのような場合、間違ったやり方で有酸素運動を行っているかもしれません。そこで今回は有酸素運動でよくありがちな間違いを2つ取り上げた上で、脂肪燃焼効果を高めるために知っておきたい、有酸素運動の基本的な原則をお伝えします。

よくある間違い1:高強度(高速度)で行っている

高強度もしくは高速度で行うと効果がありそうに思われがちですが、実は脂肪燃焼効果は期待できません!

強度もしくは速度を上げると呼吸が乱れます。すると、酸素が体内に行き届かない状態で運動が行われます。このように、酸素が体内に行き届いていない状態でなされる運動のことを「無酸素運動」と言います。

つまり、高強度もしくは高速度で行っている運動は、有酸素運動ではなく実は無酸素運動ということになるのです!無酸素運動での主なエネルギー源は脂肪ではなく糖質です。そのため呼吸が乱れる程の高強度高速度での運動は、脂肪燃焼効果は期待できないと言えます。

「有酸素運動」とはその名の通り、酸素が体内に行き届いた状態でなされる運動で、酸素を利用してエネルギー供給を行います。その運動強度は低強度もしくは低速度で、「ややキツい」と感じる強度と言われています。つまり、「ちょっとキツいかな?」と感じる低強度で行う運動が、脂肪を減らすには適しているのです。

有酸素運動
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よくある間違い2:有酸素運動だけしか行っていない

「有酸素運動をしていても効果を感じない」という方、もしかして有酸素運動だけしか行っていませんか?

確かに有酸素運動は、脂肪をエネルギーとして使う運動なので、脂肪を減らすには有効な運動ですが、脂肪を効率良く減らすにはこれだけでは不十分と言えます。

有酸素運動は筋トレを合わせて行うことで、脂肪燃焼効果がアップします!その際のポイントは、筋トレの後に有酸素運動を行うことです。その理由は、筋トレ直後は脂肪が分解され始め、このタイミングで有酸素運動を行うと分解された脂肪がエネルギーとして、使われるようになるからです。

筋トレ
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有酸素運動における脂肪燃焼のメカニズム

では有酸素運動において、どのようにして脂肪が燃焼されるのかおさらいしておきましょう。ここでの有酸素運動における脂肪燃焼のメカニズムは、有酸素運動だけを行った場合のものです。

有酸素運動を始めてカラダが刺激を受けると、アドレナリン、ノルアドレナリンといったホルモンの分泌を促します。

これらが分泌されると、脂肪分解酵素であるリパーゼが活性化されます。すると脂肪を遊離脂肪酸とグリセロールとに分解して血液中に放出し、全身の筋肉で脂肪酸がエネルギーとして使われるようになるのです。有酸素運動を開始して脂肪酸がエネルギーとして使われるまでに、最低20分かかるということから、「有酸素運動で体脂肪を減らすには20分以上行うと効果的」と言われているのです。

筋トレが終わる頃に脂肪が分解され始める!

先程、「筋トレ直後は脂肪が分解され始め、このタイミングで有酸素運動を行うと分解された脂肪がエネルギーとして使われるようになる」と書きましたが、筋トレを行うことでアドレナリン、ノルアドレナリンが分泌されリパーゼが活性化するため、筋トレが終わる頃には脂肪が分解され始めるのです。

以上のことから、有酸素運動は筋トレと合わせて行った方が、脂肪燃焼効率が高いことがお分かりいただけるかと思います。

脂肪を減らす有酸素運動の条件

「有酸素運動として具体的にどのようなエクササイズを行えばよいのでしょうか?」というご質問をよく受けます。

有酸素運動のエクササイズとしてウォーキングやエアロバイクなど様々なものが挙げられますが、何を行っても構いません!但し、低強度低速度で20〜30分継続可能な運動で、ご自身に合うものであることが条件となります。

以上のことを踏まえて、改めて有酸素運動に取り組んでみてください!

執筆者:
町田 晋一