

美しい腹筋ラインをつくる!かたい腹筋よりも「しなやかなお腹」に
かたい腹筋よりも、しなやかさのあるお腹が大切
腹部には全身を作用するたくさんの神経が集まっています。腹筋の役割は、本来姿勢を保つことや内臓を守る必要があるのですが、体幹部は構造上、胸郭と骨盤という大きな骨によっても内臓が守られています。
腹筋や背筋を含め、それらの骨が硬くなってしまうと内臓機能が鈍化し、身体にとってはあまり好ましいとは言えません。
色々な方の腹部の状態を見ると、胸郭や下腹部までもが硬くなっていて、呼吸器や腸の圧迫、女性では子宮内の活動を抑えていることもあります。足の冷えやむくみの原因にもなりかねません。
腹部の筋肉がしなやかに動き、内臓も活性化させながら健康的にトレーニングをおこないましょう。
呼吸で腹部を整える
息を吸うと肺が風船のように膨らみ、息を吐くと柔らかく緩みます。胸郭や腹部が硬く緊張状態になっていると肺の許容量も少なくなり、腹部全体の動きが弱くなりがちです。呼吸を上手に使って、まずは腹部を柔らかく、筋肉を使いやすくなるよう整えておきましょう。
1.仰向けに寝転び両膝を立てます。
2.みぞおち辺りの肋骨にそって軽く手の指をあて、呼吸を繰り返します。

《ポイント》
吐くタイミングに合わせて指が軽く沈むくらい、指の腹で少し圧をかけ、肋骨のふちにそってほぐします。このとき強く腹部を押しすぎないように気をつけてください。
少しずつおへその方に向かってほぐし、硬く張っているところがあったら指で優しく緩めていきましょう。
腹圧を上げて腹部深層筋を鍛えましょう
1.仰向けになり両膝を曲げて、90度の角度に持ち上げます。
2.片足を伸ばしキープをしながら2呼吸。腰を床につけるようにし息を吐きます。
反対の足と入れかえながら3セットおこないます。

《ポイント》
のどや胸の力を緩め、吐く息で腹部にバイブレーションが出るくらい、しっかりと呼吸をおこなってください。
腰が反ったり、床からおしりが浮かないようぴったりとつけておくことで、より深層部の筋肉を使うことができます。
脇腹を締めて腹筋の縦ラインを作る
1.肘をついて横向きになり両足をそろえて伸ばします。肩の下に肘がくるようにし、手のひらは斜め外に向けます。
2.左右の脇腹に力を入れ体を持ち上げます。このとき骨盤が上がりすぎないように、頭から足まで体の中心軸をまっすぐ保ちましょう。
3.左右の脇腹の長さを同じ状態で保ち、5呼吸繰り返します。

《ポイント》
お尻が後ろに倒れると腹斜筋に効かないので、おへそを斜め前の床に向けるようにしながらおこなってください。
最後に
呼吸によってお腹がきちんと動いていることを確認しながら、無理なく継続してくださいね。姿勢やウエストサイズの変化だけでなく、お腹全体の温度や内臓機能の働きも補えるので、様々な身体の変化を感じられることと思います。
今から続けて薄着になる夏には、すっきりしたお腹と冷房に負けない、温かいお腹でお過ごしください。
- 執筆者:
- 伊藤 律子