疲れを癒す…五感を磨くヨガ~嗅覚~
嗅覚は古い脳を刺激する
香りの物質は、鼻でキャッチされて脳に信号が送られるまでに0.2秒という素早さです。つまり、頭であれこれ考えたり判断したりと色眼鏡をかける前に、脳に到達してしまうのです。
香りは記憶とも結びついていて、香りをかぐと瞬間的に「いつ、どこでかいだ香り」という感覚がよみがえります。
普段大脳新皮質(新しい脳)であれこれ考えて、頭がパンクしそうに疲れている人にとっては、考えるより先に身体が反応する香り・嗅覚を刺激することは頭を休ませ、身体をリラックスさせるのに役立ちます。
迎香のツボ押し
鼻の通りが良くなるツボを押しましょう。
左右の鼻のすぐ外、小鼻のわきを指で押しながら鼻呼吸を繰り返します。風邪やアレルギーによる鼻づまりにも即効性があると言われている迎香(げいこう)のツボ刺激で、鼻の通りが良くなってきます。
通りの良くなった鼻で、ゆっくりと深い呼吸をしてみましょう。お腹までいい香りを取り入れるつもりで、やってみましょう。
片鼻呼吸法
呼吸のしやすい快適な姿勢で座り、両鼻から息を吐き出します。
右手の薬指と小指で左側の鼻を押さえ、右側の鼻から息を吸い込みます。吸い切ったら薬指と小指を離して親指で右側の鼻を押さえ、左側の鼻から息を吐き出します。
吐き切ったら指は変えずに左側の鼻から吸い、吸い切ったら指を交代して右側の鼻から吐き出します。これをくりかえすうちに、左右の鼻の通りも良くなり、たっぷりとお腹が動く深い呼吸ができるようになります。
きりのいい所まで片鼻呼吸を繰り返したら手を離し、両鼻でできるお腹まで香りが届くような深い呼吸を味わいます。片鼻呼吸で片方ずつの呼吸の通りを良くした結果、両鼻で呼吸をした時の呼吸のしやすさが大きく変わります。
ねじりのポーズ
左右のお尻にバランスよく体重をかけて座ります。
あぐらをかき、右膝を立てて、左膝の向こう側に右足を置いてかけます。息を吸って左手で右膝を持ち、吐きながら右へと背骨をねじり上げます。ポーズをキープしながらゆったりと深い呼吸を繰り返します。
背骨の間に栄養が送られ、内臓がマッサージされるとともに、遠くを眺めて、遠くからただよってくるいい香りをお腹いっぱい取り入れるイメージで、心身が内側からほぐれていきます。ねじりのポーズで背骨がしなやかになると、自律神経をはじめとした神経の通りがよくなり、体調を整えます。
おわりに
いかがでしたか?徐々に鼻の通りがよくなり、快適に深く鼻・嗅覚を使うことによって、体が内側からゆるみほぐれ、老廃物が流れて新鮮な空気を取り入れて、さっぱりと癒される感覚が味わえたのではないでしょうか。
目や頭を休ませて、鼻の感覚に時には集中し、内側からほぐしてバランスを取ってみてくださいね。
- 執筆者:
- 美宅 玲子