イライラ・そわそわする時に。心に落ち着きを取り戻す「丹田呼吸法」
東洋医学では「気が上っている」とも言いますが、そんな時に呼吸法によって落ち着きを取り戻すことができます。ただ深呼吸をするのとは違う、意識的にコントロールする呼吸法をどうぞお試しください。
上虚下実が健康のもと
イライラ、そわそわしたり、周りが気になって自分の芯がないような、地に足がついていないようなふわふわした状態の時、実際に私たちは胸や頭など体の上の方の緊張が強く、足腰や腹などから力が抜けているものです。
東洋医学では、その逆の「上虚下実」といって、下半身・下腹にどっしりと力が入り、上半身はリラックスして軽やかな状態を、心身が健康な状態と判断します。
呼吸法で下腹(丹田)に集中する
そこで、呼吸法を使って、下腹(丹田)に意識を集中させ、上半身にたまった気を下半身へと落としていく、落ち着いた状態をつくります。
ヨガでは通常、息を止めないで行いますが、呼吸法の一部には、息を止めることによってより内側に意識を集中させることがあります。
周りが気になってそわそわする時に、一時的に意識して呼吸をしたり息を止めたりすることで、どっしりとした精神状態をつくっていきます。それでは、その丹田の呼吸法をご紹介いたします。
落ち着きを取り戻す、丹田呼吸法
1. 骨盤を起こして座ります。鼻から息を大きく胸にためるように吸いこみ、息を止めます。
2. 止めたまま、膨らませた胸の空気を下腹へと落とすようにして、下腹を膨らませます。
3. 息を止めたまま、下腹の膨らみと充実感を味わい、苦しくなる前に鼻から長く息を吐き出します。
4. 吐き切ったら最初から繰り返します。3~5回で十分です。
おわりに
いかがでしたか?お腹から周辺がじんわり温かくなり、呼吸が深くなり、落ち着いた感覚を得ることができたのではないかと思います。
お腹は温かく、おでこは涼しいというのも、リラックスをしたサインです。自分の軸を持ち、芯を持って地に足をついて、いい意味でマイペースで進めるための呼吸法です。
- 執筆者:
- 美宅 玲子