内臓も気分もリラックス。呼吸で「自律神経」を整える方法
呼吸と自律神経の関係
無意識で呼吸をしている時、自律神経といって脳のプログラムを自動的に全身に伝える神経にコントロールされて呼吸をしています。眠っていても胃腸が働いているのも、緊張すると心臓がどくどくするのも同様です。また、リラックスする時は副交感神経が、緊張する時は交感神経が優位に働いています。
自律神経に支配されている働きのうち、内臓の働きは自分の意志で止めたり動かしたりすることは難しいですが、呼吸だけは意志によって止めたり深くしたりとコントロールすることができます。
リラックスすると副交感神経の働きによって呼吸はゆっくり深くなりますが、逆に自分の意志で呼吸をゆっくり深くコントロールすることで、副交感神経の働きを誘導しリラックスしていくことができます。
呼吸で自律神経の様子が変わるのを体感してみよう
それでは、呼吸によって自律神経の様子が変わるのを体感してみましょう。
呼吸の中でも、吸う息は交感神経、吐く息は副交感神経の働きを高めています。ですので、吐く息が長ければ副交感神経の方が優位になるということです。交感神経は心拍数を高め、副交感神経は心拍数をゆっくりにします。
手で反対側の手首などを触って、脈が取れるようにしておきます。息を吸っている時の脈の速さと、吐いている時の脈の速さを比べてみましょう。吸っている時は脈が少し速くなり、吐いている時は脈が遅くなるのが分かるでしょうか。
また、速いペースの呼吸は脈も速め、ゆっくりペースの呼吸は(特にゆっくり吐く)脈もゆっくりにします。ですから、自律神経に支配されている心臓の鼓動さえ、呼吸をコントロールすることによって、変化させることができるのです。
気分・ストレスと呼吸
ストレスがたまっていたり、イライラしたりする時は、交感神経が優位になっています。落ち込んでやる気が出ない場合は、副交感神経が優位になっている場合もあります。バランスが崩れているということです。
そんな時、呼吸で自律神経の働きを整えてあげると、気分やストレスの状態も変わってくるはずです。もし落ち込んでやる気が出ない場合は、息を力強く速く吐いて、ストレスを吐き出すようにして、大きく吸いこんだり。
イライラする時は、ストローから吐き出すように、細く長く吐き切ってみたり。
次に、どんな時にも万能の、自律神経のバランスを整える1:2の呼吸法をご紹介します。
自律神経のバランスを整える1:2の呼吸法
これは、吸う息と吐く息の長さを1:2にするという呼吸法です。
最初は4秒で吸って8秒で吐いてみましょう。慣れてきたら少し長くして、6秒で吸って12秒で吐くなど、できる範囲で行ってみましょう。
イライラしたり、落ち込んだりしていた、または内臓の働きがイマイチだったものが、自律神経のバランスを整えることによって、自然治癒力で体調を整えていくことができます。
おわりに
いかがでしたか?最初はゆっくり呼吸をすることが難しいかもしれません。しかし、少しずつ呼吸のペースをコントロールすることができるようになります。
身体のすみずみまで血流が良くなり、顔色も良くなります。呼吸によって心と体の調子がコントロールできることは、一生の役に立つはずです。どうぞお試しください。
- 執筆者:
- 美宅 玲子