骨盤・内臓を引き上げ!お腹を引き締めるシンプルピラティス 骨盤・内臓を引き上げ!お腹を引き締めるシンプルピラティス
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骨盤・内臓を引き上げ!お腹を引き締めるシンプルピラティス

中学から大学まで陸上競技に打ち込み、全日本インターカレッジ出場。姿勢や効率の良い体の動かし方に興味がある一方、メンタルの繊細さもあり摂食障害になってしまう。大学卒業後に小学校教員となるが、「いい先生で…
2015年12月17日
こんにちは。美姿勢インストラクターの美宅玲子です。「お腹を引き締める」と聞くと、脂肪を取り去るとか、筋肉をつけるイメージがあると思います。お腹が出たりゆるんだりする原因は、もちろん脂肪がついたり筋肉が足りなかったりすることですが、脂肪・筋肉のほかにお腹といえば大切な内臓があります。今回はその「内臓」からお腹を引き締める、ピラティスのシンプルなエクササイズをご紹介いたします。

内臓が下がっている現代人!?

私たち現代人は、運動不足や生活習慣の変化によって、内臓が本来のあるべき位置よりも下がっていると言われています。例えばデスクワークで骨盤が後ろに倒れ、腰が丸まっていると、腹筋がゆるんで内臓が下がり、下腹が出やすくなります。

骨盤や肋骨、背骨が内臓を収める棚だとしたら、内臓を覆うインナーマッスル(奥の筋肉)は、内臓が本来の位置にとどまるように、棚板のような働きをします。棚板がゆるんだりなくなったりしたら、内臓は下の方へ落ちて押しつぶされてしまいます。

また、食べ過ぎなどで棚に入りきらないほどに胃腸が膨れた場合でも、棚に引き出しをしまうように、インナーマッスルが骨格の棚の形を変えずにキープするために、腹圧をかけてくれるのです。

内臓をもとの位置におさめ、キープをすることで若く引き上がったウエストを作るための、内側から引き締めるピラティスエクササイズを行ってみましょう。

骨盤底の引き締め

・体育座り(膝を立てて骨盤を起こして床に)で座ります。

骨盤底の引き締め
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・お尻の下にティッシュペーパーを敷いたとイメージをします。
・ティッシュペーパーを、骨盤の底でグーを作るようにつかみ、体内につまみ上げるとイメージをします。

骨盤底は引き締まり、下腹が締まり、骨盤から背筋がすっきり伸び上がります。内臓を引き上げてくれます。尿漏れの予防にもなります。

おへそとわき腹の持ち上げ

・座りやすい姿勢で座ります(横座り以外、左右対称)。
・骨盤を起こし、背筋を伸ばします。
・おへそをみぞおちの方向へ、わき腹を脇の下の方向へ引き上げるとイメージをします。

おへそとわき腹の持ち上げ
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内臓を覆っているインナーマッスルが活性化し、あるべき位置へと収め、ウエストのくびれを作ります。

胸式呼吸

・骨盤底を引き締め、お腹・わき腹を引き上げて座ります。
・骨盤からお腹周りの形がそのままになるように、コルセットをしているとイメージをします。
・コルセットをしたまま、肋骨周りに向けて息を大きく吸います。
・息を吐きながら、コルセットの中の内臓が真空になっていくイメージで、どんどんお腹をぺしゃんこにします。
・その胸式呼吸を繰り返して、ウエストから下腹がどんどん引き締まっていきます

仰向けでお腹を引っ込める

・膝を立てて仰向けで寝転がります。
・胸式呼吸で、息を吐きながら「下腹を凹ませ、骨盤で床を押していく」⇒「おへそ周りを凹ませ、ウエストの裏側を床に沈めていく」⇒「胃を引っ込めて、胃の裏で床を押していく」ようにイメージして動かします。

仰向けでお腹を引っ込める
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おわりに

いかがでしたか?奥の方の、普段あまり意識して使われていない筋肉が活性化して、使われる感覚があったでしょうか。見た目の動きが小さいため「この程度でいいの?」と物足りなさを感じた方もいらっしゃるかもしれません。

内臓の位置をキープする深層の腹筋は、イメージをするだけで働くという性質があります。定期的にトレーニングを続けていると、姿勢が無意識にきれいに保たれるようになり、内側から支える体の芯ができて、自然とくびれのある引き締まった体が出来上がります

内臓を収める腹筋の力がついてくると、食事をする時も腹圧がかかっているので、適量で満腹になり、食べ過ぎ防止ができる上、腸のぜん動を促し、便秘の解消にも役立ちます。様々な意味でお腹がすっきりしてきます。

すぐにでも実践・継続しやすいエクササイズなので、厚着で体がゆるみやすい冬だからこそ、ピラティスを取り入れてみて下さいね。

執筆者:
美宅 玲子