食べ物がないお皿 食べ物がないお皿
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「糖質カット」は逆に太りやすい?ダイエットにおいて必要な理由

パーソナルボディメイクSYNAPSE代表。健康運動指導士。元陸上自衛隊非常勤体育講師。 現在は東急スポーツオアシス、エニタイムフィットネスなどを中心に東京都内で出張パーソナルトレーニング指導を展…
2019年12月24日
「糖質ゼロ」「糖質OFF」など、糖質は“ダイエットの敵”と考える方も多いのではないでしょうか。その考え、実は間違い。むしろ糖質カットをすると、逆に太りやすくなると言えます。なぜ糖質カットをすると太りやすくなるのか、ご説明していきたいと思います。

そもそも「糖質」とは

砂糖
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糖質とは炭水化物のうちの一つで、身体を動かすエネルギー源となります。糖質には1個の糖から成りエネルギー源となる「単糖類」に、2個の糖から成りエネルギー源となる「二糖類」、そして10個以上の糖から成る「多糖類」があります。

糖質というと甘いものを連想される方が多いと思いますが、糖分を多く含んだ甘い食べ物や飲み物は単糖類や二糖類にあたります。体内に素早く吸収され、短時間で血糖値が上昇するため、運動などでエネルギーとして使われないと脂肪として脂肪細胞に貯蔵されてしまいます。「甘いもの=太る」と思われているのはこのためです。

多糖類にはエネルギーになるものとならないものとがあります。エネルギーにならないものが「食物繊維」です。食物繊維にあたる食べ物として、海藻類やこんにゃく、野菜などが挙げられます。食物繊維は血糖値の上昇が緩やかで満腹感が持続するため、脂肪がつきにくくダイエット中には、ぜひ摂っておきたい食品と言えます。一方、エネルギーになる多糖類にあたる食べ物としては、ご飯やパスタ、うどん、そして芋類などがあります。

糖質カットすると太りやすくなる理由

糖質を拒絶する女性
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糖質をカットすると、カラダはどうなるのでしょうか?糖質とは前述したように身体を動かすエネルギー源です。また、脳や神経の唯一のエネルギー源でもあります。

その糖質がカラダに入ってこなくなると「ガス欠」状態となり、カラダだけでなく頭も働かなくなります。その状態でトレーニングを行うと、カラダはエネルギーが入ってこないので、筋タンパクを分解してエネルギーを作り出そうとするのです。そのため筋肉量が減少して基礎代謝の低下に繋がり、かえって太りやすいカラダにしてしまいます。

糖質は筋肉作りにおいても重要

筋トレする女性
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基礎代謝量を増やすには除脂肪体重を増やす必要があり、そのためには筋肉量を増やすことが不可欠となります。そのためには筋トレはもちろんのこと、タンパク質と合わせて糖質を摂る必要があります。筋肉量アップのために筋トレを行い、その後にタンパク質だけを摂っても、それは筋肉作りのために使われなくなってしまうからです。

筋トレ後は筋肉中のエネルギーが使われて枯渇した状態です。その状態で摂取したタンパク質は、本来の筋肉作りのために使われず、糖質の代わりにエネルギーとして使われてしまいます。そのため糖質も摂らないと、いくら筋トレを行っても筋肉量がなかなか増えてこないのです。

筋トレ後にタンパク質と合わせて摂るべき糖質は、吸収速度が早く短時間でエネルギーに変換される単糖類、二糖類から摂るのが望ましいと言えます。具体的には100%果汁ジュースやバナナなど、もしくはハチミツを入れたプロテインドリンクなどがおすすめです。

1日に摂取すべき糖質の量

お皿とフォーク
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糖質は1日にどれくらい摂ったらよいのでしょう。1日の総摂取エネルギーのうちの50〜60%を糖質から摂るべきであると言われています。例えば1日2000キロカロリーが必要な人なら、1000〜1200キロカロリーを糖質から摂る必要があります。これはお茶碗にするとご飯5杯分に相当し、それを上回ると糖質は脂肪細胞に中性脂肪として貯蔵されてしまうのです。

糖質を摂るタイミング

食事のタイミングを待つ女性
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糖質はエネルギーとして使われないと脂肪として脂肪細胞に蓄えられてしまいます。例えば夜は身体活動量が少なく、逆にカラダを休ませることがほとんどなので、夜食時に糖質を摂ってしまうとエネルギーとして使われずに中性脂肪として蓄積されてしまいます。そのため夜は糖質の摂取は控えるべきなのです。

糖質を摂るべきタイミングとしては、筋トレ直後やカラダが活動を始める前の朝食や、昼食が適切と言えます。筋トレ直後は吸収速度が早い単糖類や二糖類から、そして朝食や昼食には多糖類から摂ると良いでしょう。

適度に糖質を摂取してダイエットを成功させよう

食事を楽しむ女性
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痩せやすいカラダにするためには糖質も必要です。糖質を全く食べないダイエットはそれがストレスとなって、必ずリバウンドというかたちで反動がきてしまいます。痩せるためには「食べない」のではなく、何をどのタイミングで食べるかという食事コントロールが大切なのです。

執筆者:
町田 晋一