ごぼう ごぼう
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食物繊維たっぷり!ごぼうの健康効果と栄養&風味を残す調理のコツ

ヨガインストラクター、管理栄養士、ファスティングカウンセラーとして活動しています。経験を活かし、身体も心も健康でいるためのサポートをさせていただきます。
2019年09月27日
ごぼうは効率良く食物繊維を摂れる食材ですが、具体的にどんな効果があるのでしょうか。ごぼうならではの食物繊維の特徴と健康効果をはじめ、栄養と風味を残さず摂るための調理のコツなどを、管理栄養士の望月沙紀先生に詳しく教えていただきました!

ごぼうの栄養価と健康効果とは?

ごぼう
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食物繊維が豊富

ごぼうは100gあたり、水分81.8gを除けば、炭水化物15.4gが主な成分です。その炭水化物のうち食物繊維が5.7gあり、水溶性食物繊維のイヌリンと不溶性食物繊維のリグニンがともに含まれています。

食物繊維の効果を感じるには、水溶性・不溶性のどちらかではなく、両方をバランス良く摂ることが大切。水溶性と不溶性の両方が含まれているごぼうは、食物繊維を効率良く摂れる食材なのです。

クロロゲン酸が豊富

クロロゲン酸は抗酸化作用があるポリフェノール成分で、アクの主体となる成分です。糖質の吸収を抑えたり、体内の活性酸素を取り除いたりする働きがあるため、ダイエットやアンチエイジングが期待できます。

他にも嬉しい栄養素がたくさん

ごぼうにはその他にも、成長ホルモンの分泌を促進するアルギニン、貧血やうつ病の予防になる葉酸、骨の形成を助けるマグネシウム、血圧を下げるカリウムなどが豊富に含まれます。

ごぼうの食物繊維の特徴とは?

ごぼうのきんぴら
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イヌリン(水溶性食物繊維)

イヌリンは非消化性の多糖類で、腸内細菌が利用できる食物繊維です。腸内細菌の働きなどでイヌリンが分解されると、フラクトオリゴ糖というものに変わりますが、これが腸内の善玉菌を増やし、腸内環境を整えてお通じを良くしてくれます

また、食後の急な血糖値の上昇を抑えるコレステロール値を下げるなどの働きもあります。

リグニン(不溶性食物繊維)

リグニンは食べても消化されず、腸内細菌による分解もほとんど受けません。そのためリグニンを摂ると便のかさが増し、腸が刺激されて通じが良くなり、大腸ガンの予防が期待できます。またイヌリン同様、血中コレステロールの抑制作用があります。

栄養価は加熱すると変わる?

疑問に思う女性
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食物繊維は加熱調理によって変化することはほとんどないため、生でも加熱しても健康効果にそれほど違いはありません。ちなみにごぼうは生食も可能です。特に新ごぼうはさっと水でアク抜きするだけで、ごぼうならではの食感を存分にたのしめます。

一方、クロロゲン酸は、前に説明したとおりアクの成分になるため、アク抜きをし過ぎると栄養価、効果ともに下がってしまいます。抗酸化能(酸化を抑える力)は加熱をしてもキープされますが、75度以上で加熱をすると風味が落ちてしまうため注意しましょう。

ごぼうの栄養素を効率良く摂取する食べ方

食卓
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食物繊維は、食事のはじめに摂ると血糖値の急上昇を抑えられるため、ごぼう料理は先に食べるのがオススメ。また、ごぼうはほとんどが炭水化物ですから腹持ちも良いです。ごぼうを先に食べることで、食事の摂りすぎも防げます

食物繊維の摂取目標量は16〜69歳の場合、男性が20g以上、女性が18g以上です。ごぼうのきんぴら小鉢1杯で2.7g、ごぼうサラダで5.1gほど摂ることができます。ごぼうを使ったメニューは和食にも洋食にも合うため、もう1品おかずが欲しいときにも良いですね。

ごぼうの栄養素と風味を逃さない調理のコツ

ごぼう
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泥はタワシでしっかり落としますが、クロロゲン酸は皮の近くに多く含まれているため、皮はむきすぎないことがポイント。そして、調理直前に切ることで、浸水させずとも褐変を防ぐことができます。褐変やえぐみが気になる場合でも、水にさっとくぐらせる程度にすると良いでしょう。

また加熱の温度は50度くらいがオススメです。抗酸化能を高くキープし、かつ風味を生かして美味しく食べることができます。

ごぼうを食べるときの注意点

お腹をおさえる女性
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不溶性食物繊維は便秘の方が摂りすぎると、便のかさが大きくなり過ぎて便が腸内にとどまり、スムーズな排泄が難しくなってしまいます。腸内で便がとどまると、腸に水分が吸収されてさらに便が固くなり、ひどい便秘につながることも。

ごぼうの食べ過ぎは不溶性食物繊維の摂りすぎにもつながるため、便秘の方は少しずつ様子を見ながら食べるようにしましょう。

また、食物繊維が多い食物は組織が粗いため、調味料をよく吸収します。味付けが濃くなりすぎないよう注意してくださいね。

食べ方・調理法を工夫して効率良く栄養を取り入れよう

料理をしながらパソコンをいじる女性
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水溶性・不溶性両方の食物繊維が豊富で、糖質の吸収を抑えるなどの働きがあるごぼうは、ダイエットからアンチエイジングまで幅広い効果が期待できます。

その栄養素を余すことなく摂り入れるためには、食べ方や調理法にポイントがあります。今回ご紹介した方法を参考に、ぜひ日々の献立に活かしてみてくださいね。

執筆者:
望月沙紀