猫背の原因とは?専門家が教える体への影響と改善方法
猫背になってしまうその原因とは?
猫背になる原因として、長時間背中を丸めて、パソコンやスマホなどに向き合っていることが挙げられます。
パソコンやスマホを操作する際、体の前に両手を出す姿勢に。すると肩甲骨は外に開いた状態になります。これが長時間続くと肩甲骨を外に開く小胸筋の緊張が強くなり、逆に肩甲骨を内側に引き寄せる肩甲骨内転筋群の筋力が弱くなってしまうと考えられます。
猫背になりやすい人とは?
猫背になってしまう原因を踏まえると、長時間座りっぱなしで作業をする人が猫背になりやすいといえます。たとえば事務職・管理職・ITエンジニア系など、仕事上パソコンを長時間使用する必要のある人は、猫背になりやすい傾向があります。
猫背が体に与える3つの影響
肩こり
人間の頭の重さは、体重比で8%あるといわれています。例えば体重が50kgの人ならば、頭の重さは4kgということになります。その4kgの頭の重さがほんの数センチ前にずれるだけで、倍以上の重さになってしまうといわれています。
4kgの倍以上というと、8kg以上です。その8kg以上の頭の重さを、僧帽筋など首周りの筋肉が支え続けることになってしまうのです。そのため首周りの筋肉は長時間緊張した状態となり、血行不良になります。その結果、酸素や栄養素が行き届かず老廃物が蓄積されてしまい、「肩こり」が起こるのです。
ぽっこりしたおなか
ぽっこりしたおなかと猫背は一見関係なさそうに見えますが、実は大いに関係があります。
上背部が丸くなると胸椎、肋骨、胸骨からなる胸郭が下がり、それに伴い内臓が下垂します。そうすると骨盤が開いた状態となるため、ぽっこりしたおなかにつながるといわれています。
脂肪の消費量の低下
脂肪の消費には、大量の酸素が必要です。しかし猫背になり換気量が低下すると、取り込むことができる酸素の量が少なくなるため、消費できる脂肪の量も少なくなってしまうことに。
猫背を改善する方法はある?
姿勢に気をつけながら何かを作業をするというのは難しいと思うので、筋肉の緊張を緩めるストレッチと、弱化した筋力を強化するエクササイズを行うことが猫背を改善する最善の方法と考えられます。
猫背を改善する簡単ストレッチを紹介!
猫背改善には「胸の筋肉へのストレッチ」が有効です。
小胸筋、大胸筋といった胸の筋肉の緊張が強くなると、肩甲骨は外に開いた状態となり上腕骨は内側に向かって回旋した状態になります。すると猫背の姿勢を助長するからです。
【胸の筋肉へのストレッチ】
①ストレッチする側の肘と脇を90°に曲げ、小指側のラインを壁や柱に当てます。
②ストレッチする側の足を一歩前に踏み出し、カラダを反対側へ向けます。このとき顔も一緒に反対側へ向けるようにします。
ポイントは肘の内側を壁や柱から離さないようにすることです。肘の内側と胸を引き離すようにすることで大胸筋がストレッチされます。心地よいストレッチ感が得られるところまで伸ばし、少しずつ可動域を広げながら20〜30秒間伸ばし続けるようにします。
猫背を改善するグッズと使い方
「猫背矯正ベルト」など色々ありますが、私がお勧めするのは「ストレッチポール」です。デスクワークのちょっとした合間にストレッチポールにただ乗っているだけで、背骨の歪みがリセットされるからです。
ストレッチポールを使った、お勧めの猫背解消ストレッチをご紹介しましょう。
【ストレッチポールを使った猫背解消ストレッチ】
①ストレッチポールにお尻、背中、肩、そして頭を乗せます。両膝は立てておきます。
②手のひらは天井に向けて、息を大きく吸いながら両腕をゆっくりと大きな半円を描くように上げたら、息を吐きながらやはりゆっくりと大きな半円を描くように両腕を下ろしていきます。
この動作を3回繰り返すだけです!できるだけゆっくりと、大きく動かすことが効果を高めるポイントです。
是非お試しください!
猫背改善のためストレッチにチャレンジ!
猫背の姿勢は、何となく自信なさげに見えてしまうもの。日頃から猫背対策のためにストレッチにチャレンジしてみましょう。姿勢は何かに集中していると、ついつい普段の姿勢に戻ってしまいます。少しずつストレッチやエクササイズを行い、姿勢に気を配ることが大切です。
- 執筆者:
- 町田 晋一