ランニング前後のストレッチはこれ!インストラクターが徹底解説
ランニングでストレッチが重要なのはなぜ?
ストレッチを行うと柔軟性が高まるため、ランニング中の思わぬケガの予防につながります。また、疲労回復促進のためにもストレッチは重要です。
疲労が蓄積すると、パフォーマンス(身体能力)が十分に発揮できなくなるだけでなく、シンスプリント(すねの痛み)やアキレス腱炎などといった、オーバーユース(使いすぎ)が原因のスポーツ障害にもつながってしまうのです。
ランニング前におすすめのストレッチ
ランニング前は動的ストレッチが有効
ランニング前は、動きを伴う動的ストレッチが効果的です。動的ストレッチには、神経系の興奮を高めて筋温をアップさせる効果もあるため、パフォーマンス向上に役立ちます。
それでは、ランニング前に特に行っておきたいストレッチを5つご紹介します。
肩回し
ひじで円を描くように肩を前に10回まわし、次いで後ろに10回まわします。
上体ひねり
足幅を広くとり、両腕を胸の前でクロスさせ、骨盤から下を固定した状態で顔を正面に向けます。そのままの姿勢で、上体を左右にひねる動作を20回行います。
股関節の曲げ伸ばし
柱などにつかまりながら、股関節を曲げた状態から伸ばす動作を、左右それぞれ10回繰り返します。動作中は骨盤を動かさないようにするのがポイントです。
足首の回旋運動
つま先を立てて、足首を時計回りと反時計回りに、それぞれ10回ずつまわします。
弾みをつけてのふくらはぎのストレッチ
脚を前後に開き、後ろ足のかかとが地面から離れないようにしながら、上体を軽く上下に動かして、弾みをつけながらふくらはぎをストレッチ。これを左右それぞれ10回ずつ行います。
ランニング後におすすめのストレッチ
ランニング後は静的ストレッチが有効
ランニング後は、静止した状態で筋肉を伸ばす静的ストレッチが最適です。静的ストレッチは、副交感神経を優位にすることで神経系の興奮を鎮め、リラックス効果をもたらします。それによって筋肉の緊張を緩め、疲労回復を促進させる効果が期待できるのです。
ランニングで障害の多い箇所は下半身です。また、疲労が集中するのも下半身になるため、ランニング後は下半身を中心にストレッチしていきます。それでは、ランニング後に特に行っておきたいストレッチを3つご紹介しましょう。
《 静的ストレッチのポイント 》
静的ストレッチは、心地良いストレッチ感が得られる強度で、20〜30秒間伸ばしていくのがポイントです。
太もも前部(腸腰筋と大腿四頭筋)のストレッチ
ストレッチする側の脚を後ろに引き、膝を曲げて足首を持ち、かかとをお尻につけます。こうすることで、太もも前部に位置する腸腰筋(ちょうようきん)と、大腿四頭筋(だいたいしとうきん)がストレッチされます。
余裕があれば、足首を持っていた手を、つま先に持ちかえてみましょう。
太もも後部(ハムストリングス)のストレッチ
ストレッチする側の脚を一歩前に出します。膝を伸ばしたまま、お尻を後ろに引きつつ胸を前に突き出すことで、太もも裏側にあるハムストリングスがストレッチされます。このとき、つま先と膝は正面に向けるようにしましょう。
ふくらはぎのストレッチ
脚を前後に大きく開き、後ろ足のかかとが地面から離れないようにしながら、前脚の膝に両手を添え、重心を前脚に預けます。こうすることで、後脚のふくらはぎがストレッチされます。
ふくらはぎは特に障害が多く発症しやすい箇所です。忘れずに行っておきましょう。
ストレッチを行う際の注意点
動的ストレッチも静的ストレッチも、少しずつ可動域を広げていくことがポイントです。いきなり大きくストレッチしようとすると、ストレッチ効果が得られないばかりか、筋肉を傷めてしまう可能性も。自分の体に向き合いながら、無理をせず行うことが大切です。
有効なストレッチがランニングを楽しむ秘訣!
ランニング前後のストレッチには、ケガ予防、パフォーマンス向上、疲労回復といった、ランナーにとって非常に重要な要素が含まれています。正しいストレッチを行うことは、ランニングをより楽しいものにするための秘訣と言えるでしょう。
今までストレッチをあまり重要視してこなかった方は、少し時間をかけて丁寧に行ってみてはいかがでしょうか。きっと、これまでにない爽快感や心地良さを感じていただけると思います!
- 執筆者:
- 町田 晋一