【サーキットトレーニング】専門家のおすすめメニューを紹介
サーキットトレーニングとは?
サーキットトレーニングは、簡単に言うと有酸素運動と無酸素運動を組み合わせたトレーニングのことです。30分ほどかけて有酸素運動・無酸素運動を交互にくり返し行い、全身の筋肉の代謝をアップさせます。
合わせて6~8種目の有酸素運動・無酸素運動をほぼ休まず続けて行うのが1セット。2~3分の休憩をはさみつつ、これを2~3セット実施します。
こう聞くとすごく大変なトレーニングに感じるかもしれませんが、種目中は自分のペースで体を動かしてOK。女性や運動が苦手な方でも無理なく行えると思います。
サーキットトレーニングの効果
基礎代謝をアップ
基礎代謝とは、血液が体中に栄養素を運び、老廃物を流す働きのことを言います。そして、血液を流すポンプのような役割を果たしているのが筋肉です。
サーキットトレーニングは、「無酸素運動(筋トレ)で筋肉の働きを活発にする」、「有酸素運動で体内の酸素の循環を高めて血液の流れやすい環境を作る」という、代謝に必要な要素の両方を一度に行える運動と言えます。
疲労の改善
基礎代謝の改善にも関わりがありますが、血液の循環が良くなると内臓の働きが活発になります。すると自律神経も整いやすくなり、身体のオン・オフの切り替えがスムーズになるのです。
これによって睡眠の質が向上する、日中の活動効率がアップするなど、疲労改善の効果が期待できます。
胃腸の調子を整える
胃腸は自律神経の乱れが表れやすい臓器です。身体をオンにする時に働く交感神経が優位となっていて、身体をオフにする時に働く副交感神経への切り替えが上手くできていない人は、胃腸の調子を崩しやすいとされています。
自律神経が原因で胃腸の調子を崩している場合、サーキットトレーニングで自律神経のバランスを取り戻すことで改善が期待できるでしょう。
女性にサーキットトレーニングがおすすめな理由
美肌効果が期待できる
細胞を入れ替え、常に健康な状態保つ新陳代謝は、お肌のコンディションにも大きくかかわっています。サーキットトレーニングで身体全体の調子を整えることで良い新陳代謝のサイクルができ、理想の肌に近づきます。
自分のペースで行える
一見厳しく見えるサーキットトレーニングですが、回数や負荷の設定にルールはありません。たとえ1セットしかできなかったとしても、今の筋肉量に合ったレベルでトレーニングを続け、回数を増やしていければOKです。
サーキットトレーニングの目的は無酸素運動と有酸素運動をくり返すことそのものにあります。無理のないメニューを設定できるので、実は運動が苦手な方や女性にもぴったりのトレーニングなのです。
初心者や女性におすすめのサーキットトレーニングメニュー
サーキットトレーニングを行う際は、まず体温と血流を上げるために有酸素運動から始めます。おすすめのメニューはこちらの8種類。それぞれ40秒間行い、インターバル無しで次の種目に移ってまた40秒…と進めてください。
8種すべてが終わったら2~3分休み、トレーニングを再開します。このセットを3回くり返しましょう。
1.足踏み(有酸素運動)
その場で40秒間足踏みします。ただ脚だけを動かすのではなく、手を大きく振る、可能であれば太ももを大きく上げるなど負荷を増やしてみてください。
2.スクワット(無酸素運動)
一般的なスクワットです。肩幅よりも少し大きめに足を開いたら、膝を90度近くまで曲げます。難しい場合は曲げられるところまででかまいません。
3.ジャンプ(有酸素運動)
その場で跳びはねます。息を整えつつ、たくさんジャンプできるように挑戦してください。
4.サイドランジ(無酸素運動)
肩幅に足を開いて立った状態(スクワットを行った位置より半歩~1歩外に出せると理想です)から、片足を真横に大きく一歩踏み出し、また元の位置に戻ります。上半身が前かがみにならないよう気をつけてください。
5.足踏み(有酸素運動)
1と同じように40秒間足踏みをしてください。ここも慣れてきたら脚を高く上げるなどして負荷を大きくしましょう。
6.腕立て伏せ(無酸素運動)
四つん這いになって、膝を床についた状態で腕立て伏せをします。手の位置は肩と平行に保ち、体から少し離した位置で行ってください。
7.両手タッチ(有酸素運動)
仰向けになって寝て、手を肩と平行になる高さの位置に開きます。ひじを伸ばしたまま、両手を起こして顔の真上でタッチしましょう。この際、胸や肋骨の動きを意識してください。
8.両足浮かせ(無酸素運動)
仰向けに寝たまま、体全体がVの字になるよう脚を浮かせます。この時、上半身は手で支えていてOK。あまり大きく脚を上げすぎると腰を痛める可能性もあるため、できる高さまででかまいません。
サーキットトレーニングを行う際の注意点
自分の体力に合った回数で
サーキットトレーニングでもっとも重要なのは、無酸素運動と有酸素運動を交互にくり返すこと。多くの回数をこなせば良いというものではないため、各種目の回数や反復回数は、自分の体力に合わせて見極めましょう。紹介したやり方で3セットが理想ではありますが、無理をする必要はありません。
《hrhs629先生からの一言》
どのくらいまで頑張れば良いかわからない方は、「少しつらい」「頑張ればできそう」と思える回数を目安にするとちょうどいいと思います。
筋肉痛がある時は無理をしない
筋肉痛の症状は、普段よりも大きな負荷がかかって炎症が起こることで現れます。起こってはいけないというわけではありませんが、筋肉痛が出たということは少し負荷が大きすぎたということ。同じ負荷は与えないようにしましょう。
ただしまったく動かさないのも良くないため、アイシングやストレッチを十分に行いながら、動きを確認する程度の軽いトレーニングを行ってください。
トレーニング前にはストレッチを
どのトレーニングも日常より大きな負荷がかかるため、安全のため事前準備が欠かせません。ストレッチを怠ると筋肉痛やケガにつながることも。そうなるとせっかくのサーキットトレーニングの効果も薄くなってしまいます。トレーニングそのものと同じくらい、ストレッチも重要と考えてください。
運動が苦手な方も自分のペースで始めてみよう
サーキットトレーニングはシンプルながら健康な体を保つための要素がつまったトレーニング法。一つ一つの種目は簡単に取り組めるものですし、運動が苦手な方はできる回数から始めれば問題ありません。「最近疲れやすい」「代謝が低くてなかなか痩せない」などで悩んでいる方は、ぜひチャレンジしてみてください。
- 執筆者:
- 肥後晴久