足を痛めた女性 足を痛めた女性
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専門家が教える筋肉痛の治し方!仕組みを知って予防しよう

整体歴:15年目(2020年現在)。これまで延べ30,000人以上の施術に携わっております。 加えて日本ダイエット健康協会 検定1級 プロフェッショナルアドバイザーも取得しています。 皆様のお身体…
2019年09月03日
せっかく運動を始めても、筋肉痛になると続けるのもおっくうになってしまいますよね。つらい筋肉痛の治し方をボディセラピストの肥後晴久先生に教えていただきました。アイシングのコツや予防方法をチェックして、運動習慣を継続させましょう。

筋肉痛になるメカニズム

筋肉痛の女性
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筋肉の炎症が痛みを引き起こす

体を動かすと筋肉が伸び縮みしますが、筋力を大きく使うほど、その範囲と負荷も大きくなります。負担に体が耐えきれないときに筋肉の繊維が壊れ、炎症が起きて痛みが発生するのが筋肉痛です。運動で筋線維が壊れてしまう要因には、筋力と柔軟性の低さが考えられます。

原因1:筋力の低下

運動不足の方はもちろん、過去にスポーツをしていて現在はやめてしまったという方も、筋力が衰えている可能性は高いです。筋肉が伸び縮みできる範囲が狭まっているため、可動範囲以上に体を動かすことで繊維が破壊され、筋肉痛になってしまいます。

原因2:柔軟性の低下

体を動かすもととなるのが筋肉の伸び縮みする運動です。筋肉の柔軟性が低下していると、同じ動きでも筋肉に大きな負荷をかけることになるため、筋肉痛が発症しやすくなります。

筋肉痛の治し方

アイシング
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アイシングで患部を冷やす

筋肉痛は炎症症状の一種です。アイシングで患部を冷やすことで症状を和らげましょう。炎症というのは、痛めた部位に栄養素を送り、老廃物を流すため血液が集中することで起こります。血管を冷やして急激に増えた血液量をゆるやかにすることで、痛みが軽減されるのです。

アイシングの方法

氷をビニール袋に入れ、それを直接患部に当ててください。20分を目安にアイシングしましょう。15分未満では深部まで冷やせず、かと言って30分以上続けると、冷えすぎによる防御反応が起きてしまい逆効果です。

赤みが出ても大丈夫

アイシングをしている最中、患部が赤くなっても問題ありません。炎症はそもそも痛めた場所を回復させるために起きているため、血液を患部に集めること自体は必要不可欠なのです。

アイシング中に赤みが増すのは、外から冷やすことで「これ以上冷えないように」と体が血液量を急激に増やすため。一時的なもので心配はいりませんので、離さず冷やし続けてください

また、当て始めて10分までは冷たくて痛みを感じるかもしれませんが、徐々に痛みと感覚が薄れていきます。20分後には痛みがとれ、可動域も改善されるでしょう。

筋肉痛には静的ストレッチも効果的

ストレッチする女性
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筋肉痛の改善には、静的ストレッチも有効と考えられます。静的ストレッチとは、反動をつけずに持続的に体を伸ばすタイプの運動です。

たとえばアキレス腱であれば、かかとを地面にしっかりと着け、そのままふくらはぎをゆっくりと伸ばしましょう。30秒~1分間かけて行い、これを2~3回反復します。

部位にあわせた静的ストレッチによって、伸び縮みで負担のかかった筋線維を元に戻すサポートができます。反動をつけて行うストレッチのやり方もありますが、筋肉痛の対処には適さないため、筋肉痛があるときはじっくりと静的ストレッチを行ってください。

筋肉痛に効果的な食事のメニュー

タンパク質
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筋肉の成分=タンパク質を摂取する

筋肉を構成するタンパク質を取り入れたメニューはおすすめです。特に必須アミノ酸と呼ばれるアミノ酸は体内で生成することができないため、食事から取り入れなければなりません。良質な筋線維をつくるために必要なので、肉や魚、大豆製品、乳製品を積極的に摂りましょう。

また、ビタミンB1も疲労回復に効果が期待できます。レバーや豚肉、豆類をあわせて摂ると良いでしょう。

活性酸素を取り除く

負担のかかった筋線維には、活性酸素が発生しています。体内の酸化してしまった場所を改善して痛みをとるため、抗酸化作用の高い栄養素を摂ると良いでしょう。

抗酸化作用の期待できる栄養素には、ビタミンC(果物類)、ビタミンE(大豆など豆類)、ポリフェノール(リンゴ、赤ワインなど)、こちらもポリフェノールの一種であるカテキン(緑茶)などがあります。

《hrhs629先生からの一言》
こうして見ていくと、主菜にタンパク質の多い食品、副菜に抗酸化作用の高い食品が含まれていることがわかります。偏った食事をせず、栄養バランスを考えた食事を摂ることが、筋肉痛の改善にもつながるでしょう。

筋肉痛を予防する方法

ストレッチする女性
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運動前のストレッチ

運動前のストレッチが重要というのは一般的にもよく知られています。ストレッチには、事前に筋肉を伸び縮みさせておくというだけでなく、その刺激によって脳からの伝達スピードを上げたり、体を動かしやすいよう体温を上げたりといった役割もあります。事前準備としてストレッチは忘れず実施しましょう。

運動不足の解消

筋肉痛の原因は、日頃使っていない筋肉を酷使することです。定期的に運動している方でも、日常生活でまったく動いていないとそのギャップで筋肉痛になってしまいます。エスカレーターではなく階段を使用する歩ける距離であればできるだけ徒歩で移動するなど、些細なことでかまいません。普段から筋肉を使う生活を心がけましょう。

運動前にBCAAを摂取

BCAAとは、9種類の必須アミノ酸のうち、バリン・ロイシン・イソロイシンの総称です。これらのアミノ酸は非常に吸収率が高く、運動前に摂取することで運動中の筋線維の損傷を抑えるはたらきが期待できます。

十分な睡眠

筋肉痛を予防するためには、休息も大切です。いざ運動をする時、休息が足りないと体がしっかりと働いてくれません。筋肉も同様なので、運動前は十分に体を休めて備えましょう。

筋肉痛を克服して運動を習慣づけよう

ストレッチする女性
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ダイエットや健康のために運動を始めた方にとって、筋肉痛は継続のための高いハードルです。事前にアミノ酸を摂するなどしてリスクを減らしつつ、筋肉痛になってしまったらストレッチとアイシングで早めに対処しましょう。

初めはつらいかもしれませんが、筋肉が鍛えられて負荷が少なくなれば、筋肉痛になることも減ってきます。ぜひここを乗り越えて運動を習慣づけましょう!

執筆者:
肥後晴久