セルフで骨盤矯正!プロが教える骨盤ストレッチと注意点
骨盤が歪む原因
筋力低下
体は筋力で姿勢のバランスを保っています。このバランスが崩れてしまうということは、筋力の低下が起こっているのかもしれません。筋力の低下により体を正常な姿勢に保てなくなり、アンバランスさが発生するのです。
特に体の中心にある骨盤は、バランスの低下によって非常に大きな負荷がかかります。この結果が骨盤の歪みです。腰や骨盤は体の要とも言われる場所。この要に対して、どのようにバランスよく筋力を維持していくのかが重要になります。
普段の姿勢
姿勢には筋肉の柔軟性が大きく関わります。筋肉の柔軟性が低下すると、筋肉は本来の可動域を失ってしまい、正常な働きができません。近年はデスクワークなど仕事の関係から毎日同じ姿勢で過ごす方も多く、その姿勢のままで筋肉が収縮しています。
たった1時間その状態を維持していただけでも、その体の形で収縮が起き、さらに慢性化してしまえば骨盤は大きく歪んでいくでしょう。すると姿勢のくずれや、腰痛・肩こりなどを招きます。
運動不足
上記した筋力低下にも繋がりますが、筋肉は使わないと機能を維持できません。筋肉の動きとは収縮と弛緩を繰り返して行われます。この繰り返しの過程で、全身の血流の改善や神経の伝達など、筋力として活動すること以外にも大きな影響を及ぼしているのです。
筋肉が正常に活動できなければ、これら全身の活動も低下し、骨盤の歪みに繋がります。ハードな運動は必要なく、全身の筋肉をしっかり刺激できるウォーキング程度で十分です。いかに全身へしっかりと刺激を与えられるかが、運動不足・歪み改善には大切といえるでしょう。
骨盤の歪みのチェック方法
股関節
股関節は骨盤と連動している部位にあたり、直接歪みが影響します。座った状態で足を組んでみましょう。左右両方とも組んでみて、「右のほうが組みやすい」「左は違和感がある」など感じる場合、骨盤の歪みが考えられそうです。
たとえば右足を上にして足を組むと楽な方は、左に向かって身体を捻っているため左方向に骨盤は歪んでいます。
首
座ったままの状態から、首だけで左右に限界まで振り向いてください。上半身を捻らないように気を付けましょう。これもどちらか向きやすい方向があれば、向きやすい方向と逆方向に骨盤が歪んでいます。
骨盤矯正には「歩くこと」が効果的
骨盤を矯正するもっとも簡単な方法は、歩くことです。骨盤は歪んでいることが問題ではなく、一定の方向に固まっていることが問題。もともと体はねじれを伴わないと自由に動くことができず、それを踏まえた骨格になっています。よって「左右均等にねじれを行う」ことで、自然とバランスが正常化し骨盤のねじれも改善するでしょう。
歩く際には体のねじれを意識することが大切です。歩いている目線の先に一本の線を引き、その線上を歩いてみてください。姿勢はみぞおちのあたりを突き出すような形です。極端なくらいがちょうど良いので、モデル歩きのようなイメージでチャレンジしてみましょう。
骨盤が歪んでいる方の多くは猫背になっており、歩き方の意識をちょっと変えただけで、ぐっときれいに見えます。
セルフでできる骨盤矯正ストレッチ
仰向けに寝て、両手を真横に開いてください。そして腰を大きく捻りましょう。寝ている態勢が崩れない程度の捻りで構いません。このとき首は、腰を捻った方向と逆方向を向きます。このストレッチを各30秒~1分程度、左右の反復で2~3回行いましょう。
左右に反復に捻ることがこのストレッチのポイントです。最初に伸ばした方向と逆方向を向いたとき、伸ばされた筋肉は一時的に大きく緊張の緩和を行います。緊張の緩和の最中には、血流の増加や疲労回復の準備を行っているのです。改めてその緩和した筋肉を伸ばすと、今度は最初に伸ばしたときよりも楽に伸ばせるでしょう。柔軟性も最初よりも上がります。
ただし伸ばし過ぎてしまうと、筋肉は過剰に緊張を起こします。脳が伸びすぎを異常だと錯覚し、過剰に収縮しようと働いてしまうためです。あくまでも左右各2~3セットを限度としましょう。
自分で骨盤矯正をする際の注意
緊張の緩和
上述したストレッチのように、骨盤の矯正には筋肉の緊張緩和が大切です。普段の姿勢や運動不足、普段の悪い姿勢によっても筋肉の緊張は起こります。歩行やストレッチの際には、しっかりとした呼吸も意識してみましょう。呼吸によって酸素と二酸化炭素の入れ替えを十分に行えば、それだけで十分に緊張の緩和に繋がります。
反復する
歩くことにもストレッチに関しても、反復とねじれは重要な関係にあります。骨盤は股関節だけでなく、背骨の軸にもなる部分です。これらの部位のねじり運動を反復することで、体は正常な位置に戻っていきます。
やりすぎない
運動やストレッチなど、どのようなボディケアにもいえることですが、無理は禁物です。今まで骨盤の歪んでいた体が急に元に戻ろうとすると、筋肉も関節もその刺激には慣れておらず、大きな負荷をかけてしまう場合もあります。まずは上述した回数や時間から始めてみて、慣れてきたら少しずつ負荷を上げていきましょう。
セルフでの骨盤矯正は慎重に
日常生活のちょっとした習慣で、着実に骨盤は歪んでいきます。その一方で、悪い習慣を意識的に変えたり、自宅でできるストレッチを取り入れたりすることで改善できることも事実です。セルフの場合は特に無理をせず、安全な骨盤矯正を目指しましょう。
- 執筆者:
- 肥後晴久