皮下脂肪が落ちない原因は?トレーニング法やライフスタイルを紹介
皮下脂肪が落ちにくい原因とは?
基礎代謝の低下
基礎代謝の低下とは、体内のエネルギー消費が低下している状態。
体内のエネルギー源となるのは脂肪と糖ですが、燃焼するまでのカロリーは脂肪が9kcalで糖が4kcalとなります。多く活動していないと脂肪の燃焼まで届かないため、基礎代謝が低いとその消費までに至りません。
基礎代謝の低下は、結果として皮下脂肪が消費しづらくなることに繋がります。
筋力の低下
皮下脂肪は、体温の維持と筋肉の保護を行っています。そのため筋肉の周りに付着するようにできています。
本来は筋肉がしっかりと働き、その周りに付着している脂肪はその役割を果たさないといけないのですが、筋肉の衰えが出ているとその周りの脂肪も十分に役割を果たせません。そのため、筋力が衰えた場所に脂肪が付着すると、ただただ蓄積していくばかりになるのです。
このようなことから、皮下脂肪が落ちにくくなってしまいます。
なかなか落ちてくれない!皮下脂肪を落とす方法
食事のコントロール
食事のコントロールとは、基礎代謝に見合ったカロリー摂取を心がけることがポイントです。
エネルギー摂取は基本的に日々重要なことであり、「摂らない」という選択肢はなく、脂肪ももちろん例外ではありません。「摂らない」ということではなく「減らす」ということを心がけていけば、食べることへのストレスは軽減していきます。
また、食べる順番を変えることも効果的です。食事の際にスープ状のものやサラダ類から摂取すると、消化の効率も上がり脂肪の吸収率も高まります。同じ食事でも食べる順番を変えるだけで効果は違うので、ぜひ取り組んで頂きたいです。
有酸素運動
脂肪の燃焼には、20分以上の運動が効果的と言われます。運動と言っても普段よりも大きな負荷をかける必要もなく、持続的に身体を20分以上動かすということが重要なのです。
そのため、帰り道などがもし10~15分程度ならその道を20分かけて歩くということだけでも、身体のエネルギー消費は脂肪燃焼に切り替わるため効果はあります。
無酸素運動
上述したように、皮下脂肪は筋肉の周りに付着しています。そのため筋肉の働きが大きくなればなるほど消費は高まりますが、筋肉そのものが弱っていては、いくら食事のコントロールや有酸素運動を行っても効果は出てきません。
日頃から運動不足や身体の冷えがある方などは、筋肉の力が弱くなっていると推測されます。無酸素運動も、皮下脂肪を減らすことに対して重要な要素です。
皮下脂肪を落としてくれるおすすめトレーニング
有酸素運動:ウォーキング
ウォーキングでは、20分以上の時間が必ず必要となります。脂肪の燃焼開始は運動後20分以降となるため、必ずこの時間は守ってください。ウォーキングを行う際、ただ歩くのではなく「体幹に力を集中」して行うと効果が高いのでぜひやって頂きたいです。
具体的な注意点は「お腹を凹ますように力を入れる」「足の親指で地面を蹴る」という2点だけ。
腹筋に力を入れて歩きますが、簡単な意識付けは「お腹を凹ます」だけで十分です。少しお腹を凹ます程度で十分に体幹へ力が入るので、バランスよく歩けます。
また「足の親指で蹴る」という点についてですが、皮下脂肪が多くなると足全体の内側の筋肉低下が大きく見られます。そのことで姿勢の崩れが見られる方も多いです。そのため、歩く際に親指を意識して歩くと、自然と足の内側全体に力が入りその効果が高くなります。
この2点を注意して20分以上歩けば、どれだけゆっくり歩いても脂肪燃焼としての効果は出てきます。
無酸素運動:スクワット
スクワットをするときは、足を肩幅より少し広めに開き、つま先を膝と平行の向きになるようポジションを取ってしゃがみ込みます。
しゃがめばしゃがむほど負荷は大きくなりますが、15~20回程度行うことができればそれがちょうど良い負荷となります。最初は膝が90度も曲がらないと思いますので、無理をせずに行いましょう。
膝の痛み・不安がある場合の方法
もし膝に痛みや不安がある方は、臀部と太もものトレーニングを分けて行います。
臀部は、立った状態で足を後ろに振り上げるトレーニングになります。膝は曲げても伸ばしても構わないので、ももを後ろに振り上げるという意識をしっかりと持ってください。注意点として、足を前側に振り上げてからその反動を利用して後ろに足を運ぶのは、トレーニング効果が軽減してしまうので注意しましょう。
太ももは、長座で座ってその姿勢のまま膝を意識し、ももの前側にグッと力を入れるという方法をやってみてください。このトレーニングは持続的に力を入れるので、10~15秒持続して行い、できれば力いっぱいやってみましょう。血圧の高い方などは注意していただきたいですが、膝には不安のないトレーニングです。
これは膝の手術後最初に行うトレーニングでもあります。関節などへの危険も少なく、かつ無酸素運動として良い方法なのです。
皮下脂肪を減らしてくれる食事メニュー・栄養素
タンパク質
落ちない皮下脂肪を落とすには、先述したように筋肉を上手く働かせる必要があり、それに関わる栄養素が必要です。
タンパク質は筋肉の主成分となるもので、ヒトが摂取しないといけない三大栄養素の1つです。主にハム、鶏のささみ、いくら、納豆などに含まれ、総称として肉・魚・豆類が当てはまります。
ビタミンD
ビタミンDはカルシウムの吸収を高め、骨を強くする成分として有名です。一方で、筋肉の増強にも手助けをする栄養素でもあります。
主に鮭、マグロ、しいたけ、きくらげなど、総称としては魚介類、キノコ類に多く含まれる栄養素です。少量ながら、卵黄などにも含まれます。
皮下脂肪の増加を防ぐための注意点
1カ月に3キロ以上の体重減少は避ける
皮下脂肪を増加させないためには、脂肪の燃焼を持続的に行えるようにしないといけません。そのためには、数字的な目標を具体的に立てることも良いことです。
人の身体は1か月に3キロ以上落とすと健康に害を及ぼすと言います。現在の体重にもよりますが、体重が3キロ以上減少するということは、身体にとっては体内が急激に変化している表れ。皮下脂肪だけが減少した、という話だけでは済まないかもしれないことなのです。
体脂肪率の変化にも注意して
ダイエットを行う際は体重を気にしがちですが、健康的に減らすことを考えると、体脂肪率の変化を見ながら行っていくと良いです。
体脂肪率の変化は皮下脂肪の減少率ということなので、目的である「減少」に繋がります。また、このトレーニングを行う中で筋肉の発達により体重の変動が起こりますが、体脂肪の増減はあらわれません。それを知っておくだけでも、気持ちに余裕が出てくると思います。
明確な目標のもと、気を張り過ぎない
食事を全く食べないということは、ストレスとなってしまいます。目標の体重や体脂肪に達したら好きな物を食べるなど、明確な目標を立てながら行いましょう。少し楽しくダイエットを行えると思います。
皮下脂肪が落ちないのには理由があった!
皮下脂肪が落ちない・落ちにくい理由には、基礎代謝や筋力の低下が影響していることを教えていただきました。
有酸素運動や無酸素運動はもちろん、有効な栄養素を取り入れた食事にも注目しながら、トレーニングを継続的に行ってみてください。落ちにくかった皮下脂肪に、少しずつ変化があらわれるきっかけになるでしょう。
- 執筆者:
- 肥後晴久