さつまいも さつまいも
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【さつまいもの効果】食物繊維が豊富!食べ方のおすすめや注意点

フリーランス管理栄養士&実業団アスリートです。小児栄養・成長期・ダイエットなどを専門としています。
2019年07月18日
さつまいもは、炭水化物はもちろん食物繊維も多く含み、腸内環境を整える効果が期待できます。今回は管理栄養士のasa先生に、さつまいもに含まれる栄養素や摂取するメリット・コツをはじめ、おすすめの食べ方や注意点について解説していただきました。これまでの摂取方法を振り返り、ぜひ今後の参考にしてみてくださいね。

さつまいもに含まれる栄養素

さつまいも
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さつまいもは、炭水化物を多く含む「いも類」に分類されます。エネルギーを構成する三大栄養素の内訳では、たんぱく質:約4%、脂質:約1%、炭水化物:約95%と、ほとんどが炭水化物で構成されているのがポイントです。

他にはビタミンC、ビタミンB6、ビタミンE、カリウム、銅が豊富に含まれています。また、さつまいもは食物繊維も豊富に含んでおり、腸の働きを助けてくれるのも特徴です。

さつまいもを食べることで得られる豊富なメリット

お腹を触る女性
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腸内環境を整える効果が期待できる

さつまいもは食物繊維が含まれています。

そのため、腸内環境を整えてくれる効果が期待できます。

消化には一定の時間がかかり血糖値もゆるやかに上昇

さつまいもは炭水化物が主成分で、そのほとんどが「糖質」。そのため「血糖値がぐんと上がるのでは?」と思われがちですが、そんなことはありません。ブドウ糖が主成分の食品とは違って複雑な結合を持つ糖で形成されており、消化に時間がかかるからです。

食物繊維も、血糖値の上がり方をゆるやかにします。

高血圧予防にも期待できる

さつまいもにはカリウムが豊富に含まれています。

カリウムは高血圧予防に役立ち、塩分の多い現代には必要な栄養素です。

さつまいもの栄養素を効果的に摂取するコツ

スープの画像
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さつまいもに豊富に含まれるビタミンCですが、芋類ならではの効果的な摂取方法があります。

ビタミンCはさつまいもやじゃがいもだけではなく、その他の野菜にも多く含まれています。しかし、ビタミンCは「水溶性ビタミン」であり、ゆで調理の際にはその量が半減すると言われているのがポイントです。

さつまいもやじゃがいもは、塊になっていたり皮で覆われていたりするため、ゆで調理をしてもビタミンCが壊れにくいと言われています。ゴロゴロとした大きなさつまいもをお味噌汁や煮物に使えば、ビタミンCを含む煮汁も逃さず摂取することが期待できます。

さつまいもの効果的なおすすめの食べ方

焼き芋
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さつまいもを美味しく食べるコツは「じっくりと温める」こと。さつまいもを熱することで、さつまいもに含まれる「β-アミラーゼ」という酵素がでんぷんを麦芽糖(マルトース)に変える働きをします。この「β-アミラーゼ」という酵素が最も働くのは、65〜75℃と言われています。

つまりその温度帯である時間が長ければ長いほど、さつまいもでんぷんはどんどん麦芽糖に分解され、甘くなるのです。

そのため、焼き芋を作る時はレンジでチンするよりも、オーブンでじっくり……の方が甘い焼き芋に仕上がります。ご家庭ではなかなか難しいかもしれませんが、甘〜くなった石焼き芋が食べたい時チャレンジしてみてください。

焼き芋屋さんの石焼き芋がとっても甘い理由、お分かりいただけましたでしょうか?

さつまいもの食べ方で注意したいこと

驚く女性
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さつまいもはあくまで芋類!他の野菜も効果的に摂取して

芋類であるじゃがいもやさつまいもは「野菜」と思っている方、実際はたくさんいらっしゃるのではないでしょうか。さつまいもはあくまでも「芋類」に分類されるため、「炭水化物」源です。

副菜にさつまいもばかり使っていると、栄養素が偏ってしまう可能性があります。他の野菜(緑黄色野菜や淡色野菜)も積極的に食べるようにしましょう。

さつまいもは皮ごと食べないとオナラが出やすくなる!?

さつまいもを食べるとオナラが出やすくなるのは、誰もが経験済みのこと。一体なぜなのでしょうか?それは、さつまいもの主成分にあると言われています。

さつまいもの主成分は「でんぷん」ですが、お米のでんぷんとは違って消化しにくいでんぷんなのです。そのため、腸内細菌と腸の蠕動(ぜんどう)運動が活発になり、ガスがたまりやすくなります。しかし、さつまいもを「皮ごと」食べれば、オナラが出にくくなると言われています。それは、さつまいもの皮に含まれている「ヤラピン」という物質が、さつまいもの消化を助けてくれるから。腸に留まる時間を短くしてくれるわけですね。

また、ヤラピンは便をやわらかくして腸の蠕動運動を促進してくれるので、便秘解消にも役立ちます

効果的にさつまいもを摂取して健やかな体作りを

ヨガをする女性
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さつまいもの効果は、腸内環境を整えたり、高血圧予防になったりと、うれしい効果が期待できる優れもの。

皮ごと食べることで腸の蠕動(ぜんどう)運動を促進するなど、食べ方にも注意しながら、健やかな体作りのために積極的に食事に取り入れみましょう。

執筆者:
asa