専門家が解説!「リンゴ型肥満」の改善ポイントは生活の見直し
リンゴ型肥満とは?
腸の周りに内臓脂肪が付着
リンゴ型肥満とは、腸の周りを中心に内臓脂肪が過剰に付着している状態で、特に男性に多いといわれています。下腹部が大きくなり、見た目がリンゴのような形に見えるため「リンゴ型肥満」と言われます。
「隠れ肥満」とも言われる
体重の理想値をBMI数値で判断したりしますが、内臓脂肪の蓄積はBMI数値では判断出来ないため、このリンゴ型肥満は「隠れ肥満」とも言われます。
内臓脂肪の過剰な蓄積をメタボリックシンドロームと呼びます。診断はCTスキャンを行い、腹部を輪切りにした形から脂肪の蓄積量を測ります。この際に脂肪の量が100㎠以上蓄積しているとメタボリックシンドロームと診断されます。
また、ウエストの周囲では男性は85cm以上、女性は90cm以上が目安になります。女性の数値が男性より大きいのは、皮下脂肪の蓄積が男性よりも多いためです。
メタボリックシンドロームは心臓病などの生活習慣病の予防に大きく関わると考えられています。
参考元:厚生労働省 eヘルスネット
リンゴ型肥満になってしまう原因
カロリーの過剰摂取
カロリーの過剰摂取や食べる時間帯など、消化に負担のかかることをするとリンゴ型肥満に繋がります。
基礎代謝量と運動を合わせたカロリー消費に対して、摂取カロリーが過剰に上回ってしまうと蓄積の元になり、日々それが重なってしまうと悪いループとなってしまいます。
また、食べる時間帯なども大きく関わり、夜に食べる量が多くなると蓄積が大きくなってしまいます。夜になると身体は寝る準備に入るため徐々に体温は下がるため、食事を多く摂ってしまうとカロリー消費が上手くいかず蓄積に繋がるほか、内臓の負担にも繋がりるため体調にも悪い影響を及ぼします。
運動不足
有酸素運動が不足していると脂肪の消費には繋がりません。
身体が活動するにはエネルギーが必要になりますが、その際の主成分は糖と脂肪になります。しかし、脂肪がエネルギー転換されるのは身体が活動後20分以降と言われおり、それ以前の活動は糖がエネルギー源となります。
脂肪の消費には、20分以上の有酸素運動が必要になります。
リンゴ型肥満を改善する効果的な方法
食事のコントロール
カロリーの多いものを摂らないようにしましょう。
脂肪は蓄積するスピードが早いので、多く摂れば摂るほど溜まっていく一方になります。しかし、糖も含め脂肪は日々の生活に必要な栄養素ですので、「摂らない」ということより「摂りすぎない」ということを心がけていただければ十分です。
また、食べる時間帯や食べる順番を変えるだけでも身体に与える影響は変わります。食べる時間帯が遅いと消化に悪影響を及ぼしてしまうので、夜の量は減らし、減らした分を朝・昼に回して食べると代謝が上がって脂肪燃焼に繋がり、エネルギー消費に良い影響を及ばします。
有酸素運動
脂肪の燃焼は20分以上の運動と言われています。
しかし重要なのは、身体が20分以上持続的に動いていると、そのエネルギー源が脂肪と変換されていくということ。ですので、散歩程度のスピードで10分~15分の道を20分かけて歩くだけで効果は変わります。
散歩程度のスピードが物足りなくなってからウォーキングや距離を伸ばすなどをしていくと良いと思います。
注意したい習慣
脂っこいものや甘いものは控えるようにしましょう。しかし、全く食べ無いこともストレスとなりかねないので、目標を具体的に立て、それが達成したら食べるなどで取り組まれるといと思います。
また、急に食べ物の量を減らすのも良くありません。今までの内臓のリズムと違うリズムが急激に起こってしまうため、リズムの変化にも注意が必要です。
実際に行う際は「今日から始める!」と思い、いきなり減らすのではなく、2~3日かけて徐々に減らしていき、身体に変化を覚えさせるということも重要になります。
リズムを覚えないまま張り切って行うと、体調を崩す原因となるので十分に気を付けてください。食べる際も運動する際も、適度にバランスよくが必要となりますので、極端な行動は控えてください。
無理せずリンゴ型肥満を改善しよう
リンゴ型肥満を改善するには、食事のコントロールと有酸素運動が効果的です。
内臓脂肪は蓄積するスピードも早いですが、消費するスピードも早い脂肪なので、食事のコントロールと有酸素運動を徹底して行っていけば改善はすぐに見込めます。
無理をせず、リンゴ型肥満を改善していきましょう。
- 執筆者:
- 肥後晴久