腰痛予防に効く!ストレッチインストラクターが実践している4つのストレッチ 腰痛予防に効く!ストレッチインストラクターが実践している4つのストレッチ
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腰痛予防に効く!インストラクターが実践している4つのストレッチ

パーソナルボディメイクSYNAPSE代表。健康運動指導士。元陸上自衛隊非常勤体育講師。 現在は東急スポーツオアシス、エニタイムフィットネスなどを中心に東京都内で出張パーソナルトレーニング指導を展…
2017年12月28日
ストレッチを用いたコンディショニング指導をしている、パーソナルトレーナーの町田晋一です!先日、肩こりに効くストレッチをご紹介しましたが、肩こりと並んで多くの人を悩ませているのが「腰痛」です。寒い時期になると、ギックリ腰を起こす人も少なくありません。そこで今回は、ストレッチインストラクターである私自身が実践している腰痛予防に効果的なストレッチをご紹介したいと思います!

腰痛予防ストレッチを行うにあたり踏まえておくべき点

ストレッチを行うにあたり、どのようにして腰痛が起こるのかを踏まえておく必要があります。

腰痛は、骨盤周りの筋力や柔軟性といった筋バランスが崩れた結果起こります。

例えば、背骨に沿って存在する脊柱起立筋の筋力が低下し、お尻の筋肉である大殿筋や太もも裏の筋肉であるハムストリングスの緊張が強くなると、骨盤の前後の筋バランスが崩れて骨盤が後傾します。すると腰椎の前弯が減少し、腰椎の前方部分に負担がかかりやすくなります。腰椎の前方部分には椎間板があるので、「腰椎椎間板ヘルニア」のリスクが大きくなります。

腰痛
画像出典: 美LAB.

これは骨盤の前後の筋バランスが崩れた結果生じる腰痛の一例ですが、実際には前後の崩れた筋バランスだけでなく、左右の筋バランスが崩れることで生じる左右の傾きや捻れが絡み合って腰痛は起こります。

そのため腰痛予防ストレッチは、骨盤を前後と左右の面に分けて、それぞれの柔軟性バランスを整えていくようにします。

骨盤前後のバランスを整えるストレッチ(1)

先ほどの例にも挙げましたが、骨盤前後のバランスが崩れて骨盤後面の筋肉である大殿筋の緊張が強くなると、骨盤は後傾します。大殿筋は「股関節を伸ばす」という働き以外にも、大腿部を固定した場合、「骨盤の後傾」と「骨盤の内旋」という働きがあります。

【大殿筋へのストレッチ】
仰向けになり脚を「4の字」に組みます。下になっている脚の膝を立て、その膝裏に両手を回し、脚を胸に向かって引きつけることでお尻の筋肉である大殿筋がストレッチされます。

余裕のある方は、写真下のように膝裏に回していた両手を膝のお皿の下に移して、脚を胸の方向に引きつけてみましょう。

大殿筋へのストレッチ
画像出典: 美LAB.

骨盤前後のバランスを整えるストレッチ(2)

逆に骨盤前面の筋肉である腸腰筋と大腿直筋の緊張が強くなると、骨盤の前傾が強くなります。これらは「股関節を曲げる」という働きがありますが、大腿部を固定した場合は骨盤を前傾させます。

【腸腰筋及び大腿直筋へのストレッチ】
前脚の膝を立て、後ろ脚の膝は伸ばした状態で脚を前後に開きます。立てた膝に両腕を乗せてて重心を真下に落とすことで腸腰筋と大腿直筋がストレッチされます。

骨盤を正面に向けることと、腰部をやや丸めることで骨盤を後傾させることがポイント。目線をやや下に向けると腰部が丸まりやすくなります!

更につま先を持ち膝を曲げると、大腿四頭筋もストレッチすることができます。

骨盤前後のバランスを整えるストレッチ
画像出典: 美LAB.

骨盤の左右のバランスを整える2つのストレッチ

骨盤の左右の傾きに関与する筋肉は、股関節内転筋と股関節外転筋である中殿筋です。股関節内転筋の緊張が強くなると骨盤が挙上し、逆に中殿筋の緊張が強いと骨盤は下制します。

【股関節内転筋へのストレッチ】(写真上)
座位の体勢から両脚を無理のない範囲で開き、胸を張り、背すじを伸ばして骨盤を立てた状態を作ることで内ももの筋肉がストレッチされます。

ポイントはつま先の向きで、天井を向いた状態をキープするようにします。

余裕があれば、両手の位置を前にずらし、骨盤を立てた状態を崩さない範囲で上体を前に倒していきましょう。

【中殿筋へのストレッチ】(写真下)
座位の体勢から片膝を立て、反対側の脚とクロスします。立てた膝を両腕で抱えるように捉え、胸に向かって引きつけることでストレッチされます。

ポイントは上体を真っ直ぐに立てることです。

余裕があれば、写真のように反対側の脚を折り畳むように曲げてみましょう。

骨盤の左右のバランスを整えるストレッチ
画像出典: 美LAB.

腰痛予防ストレッチをより効果のあるものにするためのポイント

ご紹介したストレッチは、筋温を高めた上で、心地よいストレッチ感が得られるところまで伸ばし、段階的に可動域を広げながら20〜30秒間伸ばし続けることで効果が期待できます。

また、それぞれのストレッチを行う際、左右差がないかどうかを意識しながら行うことが重要です。柔軟性に左右差があると、骨盤の左右の傾きや捻れとなって表れるからです。

今回ご紹介したストレッチと合わせて、骨盤周りを支えるエクササイズを行うとより効果的です。ということで次回は、私がお勧めしている腰痛予防に効くエクササイズをご紹介したいと思います!

執筆者:
町田 晋一