お腹を引き締めたければ、「シットアップ」はお勧めできません! お腹を引き締めたければ、「シットアップ」はお勧めできません!
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上体起こしでお腹は痩せない?優秀な「お腹痩せエクササイズ」はこれ!

パーソナルボディメイクSYNAPSE代表。健康運動指導士。元陸上自衛隊非常勤体育講師。 現在は東急スポーツオアシス、エニタイムフィットネスなどを中心に東京都内で出張パーソナルトレーニング指導を展…
2017年11月23日
ストレッチを用いたコンディショニング指導をしている、パーソナルトレーナーの町田晋一です!「お腹痩せ」「お腹引き締め」と言えば腹筋エクササイズを、そして腹筋エクササイズと言えば、上体を起こす動作を繰り返す「シットアップ」や「アブドミナルクランチ」を連想される方が多いのではないでしょうか?

しかし、お腹痩せエクササイズとして、シットアップやアブドミナルクランチはあまりお勧めできません!では何故お勧めできないのか、解説したいと思います。

何故「シットアップ」や「クランチ」がお腹痩せエクササイズとしてお勧めできないのか?

シットアップやアブドミナルクランチといった、上体起こし系の腹筋エクササイズが、お腹痩せエクササイズとしてお勧めできない理由の1つとして、上背部を丸める動作が強調されやすく、胸椎の後弯を強めてしまう可能性が高いということが挙げられます。

では、胸椎の後弯が強くなると何故お腹痩せにはならないのか?

胸椎の後弯が強くなると猫背の姿勢が助長され、胸郭が下がります。すると内臓が下垂してしまうため、「ポッコリお腹」になりやすくなるからです。

お腹
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また、上体起こし系の腹筋エクササイズは、反動や腕の力を使って上体を起こしてしまったり、腹筋以外の筋肉を使ってしまったりと、腹筋に十分な刺激を与えにくいと言えます。

これが上体起こし系の腹筋エクササイズを、お腹痩せエクササイズとしてお勧めできないもう1つの理由です。

例えばシットアップで上体を起こす際、お腹を軸に体幹を巻き起こすべきところを股関節を使って起こしてしまっていると、腹筋ではなく太ももの付け根の筋肉に効いてしまいます。

ここでの太ももの付け根の筋肉とは腸腰筋を指します。骨盤の前傾が強いから腹筋を強化しようとシットアップを行うと、腹筋ではなく腸腰筋を使ってしまうため、骨盤の前傾を益々強めてしまう可能性が考えられます。

お腹痩せエクササイズ
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お腹痩せエクササイズとしてお勧めなのは・・・

では、お腹痩せを目的とした場合、どのようなエクササイズを行えばよいでしょうか?

ズバリ以前ご紹介しました、「上体を起こさない腹筋」がお勧めです。

理由は、無理なく腹筋に、それもお腹引き締めの上で重要な腹横筋と腹筋下部に十分な刺激を与えられるからです。

「腹横筋」という見慣れない筋肉名が出てきましたが、腹横筋は4つある腹筋グループのうちの1つで、深層部にあります。その名の通り、お腹を横に覆うように存在していて、腹圧を高める働きを持ちます。

したがって腹横筋が弱くなると腹圧が低下することになるので、内臓が下垂しお腹ポッコリになるわけです。

「上体を起こさない腹筋」では、お腹をへこませることで腹横筋が使われ、腰を床に押し付けると骨盤が後傾し腹筋下部が使われます。

上体を起こさない腹筋
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出来るだけ早く目標とするカラダに近づくカギは・・・

ここまでシットアップやアブドミナルクランチといった、上体起こし系の腹筋エクササイズを勧めないような文面になってしまいましたが、あくまでお腹痩せエクササイズとしてお勧めできないだけであって、これらは正確なフォームで行えば大変優れた腹筋エクササイズです。

トレーニングを行う際に重要なことは、目標とするカラダを明確にし、その目標を出来るだけ効率良く達成させるためのエクササイズを選ぶことです。目的地に出来るだけ早めに到着したい時、近道を選びますよね?ボディメイクもそれと同じです。

「トレーニングを続けているけれど、なかなか効果を感じない・・・」という方は、目的に合ったエクササイズを行っているかどうか今一度見直してみましょう。

執筆者:
町田 晋一