季節の変わり目に!自律神経のバランスを整える「背骨」エクササイズ
気候に順応する自律調節機能
心臓をどきどきさせて血液をたくさん流したり、汗をかいて体温調整をしたり、胃腸の働きを高めて消化吸収を促したり、私達の体は無意識のうちに自律神経の支配で、その時の環境や状況に合わせて、最適な働きをしています。
しかし、ストレスを抱えすぎたり、気候の急激な変化にさらされたりすることで、自律神経の働きが乱れる時があります。ストレスが大きすぎて、交感神経が優位な状態が続くと、血流が悪くなって冷えや凝り、胃腸の不調が起こることがあります。
本来は身体の働きで自律的に平衡を保っていたのが、ストレスの大きさなどによって調節機能が弱ったり、カバーしきれなくなったりするのです。
自律神経の働きと背骨の関係
自律神経(交感神経・副交感神経)は、脳から脊髄を通って各臓器などへ伝わっています。交感神経は背骨の間から、副交感神経は頭部や首、骨盤から出ていきます。
運動神経や感覚神経など、他の神経も同じですが、背骨が本来の位置にあり、背骨回りの筋肉に柔軟性があることで、背骨の中を通っている脊髄・神経は圧迫されずにスムーズに働きます。
例えば猫背や、同じ姿勢・動作を繰り返すなどで腰の筋肉が凝ったりゆがんだりした場合、背骨が不自然な場所にきて神経を圧迫しやすくなります。自律神経も、本来の働きが乱れてしまうのです。
そこで、背骨周りの筋肉を柔軟に保ち、背骨を本来の正しい位置に置くためのエクササイズをご紹介します。
自律神経の働きを整える「背骨」エクササイズ
キャットエクササイズ
四つんばいになり、息を吐きながら背骨を丸め、おへそをのぞき込みます。背骨の骨と骨の間を広げ、ストレッチをするイメージです。
息を吸いながら背骨を平らに戻し、吐きながら今度はおへそを地面に近づけ、みぞおちを前に向けて広げるようにして背骨を反らせます。
息を吸いながら背骨を平らに戻します。この動きを呼吸に合わせて繰り返します。5往復から初始めて、10往復くらいできるようになります。
左右つま先ワイパー(背骨C字)
四つんばいになり、両足のつま先を床から持ち上げます。両つま先を左右に動かすと、骨盤が動いて、しっぽを振る犬のようなお尻の動きができます。その動きに合わせて背骨を左右にCの字を描くようにカーブさせます。しっぽが向く方向へ肩を寄せるイメージです。
背骨の左右にカーブさせる柔軟性が増します。5往復から始めて、10往復くらいできるようになります。
わにのポーズ(ねじり)
仰向けになり、息を吸いながら右ひざを両手で胸の方へ引き寄せます。息を吐きながら、左手で右ひざを持ち左方向へと倒します。
背骨一つ一つの間の筋肉がゆっくりと伸ばされるイメージです。無理に力を入れず、右腕と右足の重さ、深い呼吸で少しずつ筋肉がゆるみ、柔らかくなっていきます。
5呼吸ほど維持して突っ張り感が減ったら、息を吸いながら右ひざを胸の前に戻し、吐きながら伸ばします。
反対脚でも同様に行います。
背骨を整えて自律神経も整えよう
自律神経の働きが乱れている人は、背骨の動きが固く、肩やみぞおち、お腹周りも硬い傾向があります。呼吸に合わせて少しずつ、動物のように自然に気持ちよく動かして、本来の働きを呼び覚ましてみましょう。
- 執筆者:
- 美宅 玲子