ツボ押しでぐっすり安眠!ツボの場所や押し方を専門家が解説
ツボ押しで安眠できる理由
ツボ押しによって安眠しやすくなる理由は、リラックスしやすくなり、眠りを誘導しやすくなるからです。東洋医学では、人体のツボは、体のバランスを整える必要なところに分布しています。
具体的には、六臓(ろくぞう)の肝(かん)・心(しん)・脾(ひ)・肺(はい)・腎(じん)・心包(しんぽう)と六腑(ろっぷ)の胆(たん)・小腸(しょうちょう)・胃(い)・大腸(だいちょう)・膀胱(ぼうこう)が生命活動の中心と考えられていて、ツボが各々分布しています。
この六臓六腑に対応したツボが各々の内臓や器官に栄養を運ぶ役割をしており、頭から足先まで、全身を巡っているのです。このツボとツボとつなぐ役割を経絡(けいらく)と言います。安眠のツボ押しをすることで、東洋医学の六臓六腑に刺激が伝わり、深い眠りを誘導できるのです。
基本的な安眠のツボ
失眠(しつみん)
失眠は、足の裏のかかとの中央の凹みにあるツボです。失眠は、交感神経の高ぶりを抑えて、覚醒している脳を鎮静化し、眠りを誘導する効果が期待できます。
労宮(ろうきゅう)
労宮は、手のひらを軽く握った時に、中指と薬指の間にあるツボです。労宮は、自律神経の働きを整えて、不安や緊張を緩めて、リラックスできる効果が期待できるツボです。緊張がほぐれることで、眠たくなる傾向があります。
不眠の原因別・おすすめのツボ
百会(ひゃくえ)
ストレスが原因の不眠に効果的な安眠のツボは、百会です。百会は、頭頂部のほぼ中央の、左右の耳の穴を結んだ線と頭の真ん中を通る線と交わるところにあるツボです。イライラや精神的な不安感を抑えて、眠けを誘う効果が期待できます。
完骨(かんこつ)
首こり、肩こりが原因の不眠に効果的な安眠のツボは、完骨です。完骨は、耳の後ろの出っ張った骨・乳様突起(にゅうようとっき)の真下にあるツボです。
完骨は、首や肩の筋肉の緊張をほぐし、頭痛や首こり、肩こりを緩和する効果が期待できます。その結果、自律神経の働きが整い、安眠しやすくなります。
それぞれのツボの押し方
失眠のツボの押し方
親指の腹で5秒間、5回押してください。お風呂上りに照明を暗くして、リラックスした状態で、失眠のツボを押すと、眠りを誘導しやすくなります。夏場は、冷房で足先が冷えやすいので、失眠のツボを押すことで、血流が促進し、安眠しやすくなります。
労宮のツボの押し方
反対側の親指の腹で、心地よい強さで上下左右に1分間、もみほぐしてください。左右、各々の労宮のツボを押しましょう。湯船に浸かりながら、労宮のツボを押すことで、精神的な疲れが取れやすくなります。それにより、安心して眠りにつきやすいのです。
百会のツボの押し方
両手の人差し指を重ねて、心地よい強さで、3秒間を10回押しましょう。ゆっくりと呼吸しながらツボ押しすると、リラックス効果が高まりやすくなります。イライラや不安感が強いときは、仕事中などに数回に分けて百会のツボ押しをしても構いません。不安感が和らぎ、安眠しやすくなります。
完骨のツボの押し方
左右のツボを親指の腹で1分間、押し上げるようにしてください。首や肩の筋肉がほぐれやすくなり、眠りやすくなります。仕事の休憩時間などに押すのがオススメです。
ツボ押しの効果を上げる方法
緊張をほぐすアロマの香りを取り入れる
ツボ押しする時に、ラベンダーやカモミールなどの心身の緊張を和らげるアロマオイルをティッシュに数滴垂らし、近くに置いておくことで安眠を誘いやすくなります。
心地よい強さで押す
ツボを強く押し過ぎると、緊張しやすくなり、逆効果になってしまいます。心地よい強さでツボ押しすることで、眠たくなりやすいのです。
呼吸するタイミングでツボ押しする
鼻から息を吸い込み、ツボ押しをして、ゆっくりと口から息を吐きましょう。自律神経の働きが整いやすくなり、体の緊張がほぐれやすいのです。その結果、安眠を誘導できます。
ツボ押しをしてぐっすり安眠
疲れているはずなのに、よく眠れない。夜中に何度も目が覚めてしまう。そんな睡眠のお悩みを抱える人は、ぜひツボ押しを試してみてください。簡単にできるので、今晩からでもすぐに始められますよ。効果を上げる方法も参考にしてみてくださいね。
- 執筆者:
- 横内 稚乃