正しい姿勢を保つと疲れてしまう人へ!原因別のアドバイス
「立つ」「座る」「歩く」の正しい姿勢
立つ
前から見た時に、頭頂部・鼻先・胸の中心・へそ・両脚の間が延直線上を通る姿勢が正しいと言えるでしょう。また横から見た場合には、頭頂部・耳・肩先・骨盤前後の幅の中心・膝前後の幅の中心・くるぶしが延直線上を通るようになります。
座る
前から見た時に、頭頂部・鼻先・胸の中心・へそ・両脚の間が延直線上を通り、横から見た時に、頭頂部・耳・肩先・骨盤前後の幅の中心が一直線上を通る姿勢が正しい姿勢です。
歩く
前から見た時に、頭頂部・鼻先・胸の中心・へそ・両脚の間が延直線上を通り、横から見た時に、頭頂部・耳・肩先・骨盤前後の幅の中心が一直線上を通る姿勢が歩く際の正しい姿勢と言えます。
正しい姿勢を保つために必要な体の機能
抗重力筋を適切に働かせている
抗重力筋とは、重力に対して体を支える筋肉のことを指します。例えば、ふくらはぎ、ももの裏、お尻、大腰筋、体幹のインナーマッスル、背骨回りの筋肉などのことです。このような骨を垂直に立たせておくために使われる筋肉が、バランスよく働くことが大切です。
呼吸が深くできている
呼吸のために働く呼吸筋(横隔膜、腹横筋、肋間筋、骨盤底筋群など)は、体幹の形を保つのに働き、姿勢を維持し、バランスをよくさせてくれます。
正しい姿勢を保つと疲れを感じる人の特徴
背もたれなどに寄り掛かることが普通になっている人
骨盤が後ろに傾き、背もたれなどに寄り掛かることが普通になっていると、何も支えがないところでは不安定で姿勢を維持することができないので、姿勢を維持するために余分な努力が必要になり、疲れを感じてしまいます。
片脚に体重をかけて立つ、反り腰など、体重をどこかに偏ってかける習慣がある人
両脚にバランスよく体重をかけるのではなく、片側に体重をかけたり、お尻を横や後ろに突き出すようにして、体重をそちらへスライドする立ち方をしていると、腹筋など姿勢をまっすぐ保つために使う筋肉が使われない・休んでしまっているので、いざまっすぐな姿勢を取ろうとしたときに、疲れを感じてしまいます。
正しい姿勢とは、緊張する姿勢だと思っている人
正しい姿勢は、体全体を緊張させて維持すると考えている人は、疲れてしまいます。実際はそうではありません。
原因別・疲れやすい体の部位
背もたれなどに寄り掛かる癖がある人
腰や背中、立っている場合には脚も疲れると感じるでしょう。上半身の重みを上半身で支えていないからです。電車などで立っているときも、壁に寄り掛かって立っていませんか?
片脚に体重をかけて立つ、反り腰など、体重をどこかに偏ってかける癖がある人
骨盤を前や横にスライドして立っていませんか?腰が反り、お腹を突き出していませんか?そういう姿勢は、腹筋を中心として、必要なコアの力が抜けています。コアの力が入らない分、背筋や肩などに力みが入り、疲れると感じてしまいます。
姿勢を良くしようとすると、過剰に胸を張ったり、背中や肩甲骨を緊張させている人
背中や腰、肩甲骨周りが疲れると感じてしまいます。本当は頑張って胸を張る必要はないのです。
原因別・正しい姿勢を保つためのアドバイス
背もたれなどに寄り掛かる癖がある人
手のひらに乗せて立てた傘のように、全身で前後左右のバランスを取り続けて立つようにしましょう。
手のひらに傘を立てて乗せると、ぐらぐらするので、手を前後左右に動かして、バランスを取ろうとします。人間も同じように、重心を常に前後左右バランスを取りながら立っているのが本来です。立ったばかりの赤ちゃんをイメージしてもいいかもしれません。どこかに寄り掛かって姿勢を固定するのではなく、バランスを取って立つイメージです。
片脚に体重をかけて立つ、反り腰など、体重をどこかに偏ってかける癖がある人
足指やかかとにバランスよく体重をかけて立つようにしましょう。またお尻と脚にバランスよく体重をかけて座りましょう。
立つときは地面についている10本の指とかかとにバランスよく体重を乗せて立ち、座っているときは座面と地面についているお尻と足裏に、前後左右均等に体重をかけることを意識してみてください。
姿勢を良くしようとすると、過剰に胸を張ったり、背中や肩甲骨を緊張させている人
頭を高い位置に置くようにしましょう。
ろうそくの炎や煙のように、自然と天の中心に向かって高く昇っているものをイメージして頭を高い位置に置きます。頭を高くするだけで、余分な肩や腰などの力を入れなくても背筋は伸びますし、必要なお腹の力が入りながらもリラックスしながらまっすぐ立って(座って)いることができます。
正しい姿勢をキープできるように
普段の姿勢が悪い人ほど、正しい姿勢を保とうとすると疲れてしまいやすくなります。まずは自分の立ち方や座り方の癖を知り、今回ご紹介したアドバイス意識しながら生活するように心がけてみてください。始めは大変かもしれませんが、段々と体が正しい姿勢を覚えてくれるはずです。
- 執筆者:
- 美宅 玲子