股関節が固い女性 股関節が固い女性
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体が固い原因は?柔軟性のチェック方法とストレッチをご紹介

中学から大学まで陸上競技に打ち込み、全日本インターカレッジ出場。姿勢や効率の良い体の動かし方に興味がある一方、メンタルの繊細さもあり摂食障害になってしまう。大学卒業後に小学校教員となるが、「いい先生で…
2019年10月07日
あなたの体は柔らかい?それとも固い?まずはこれからご紹介する柔軟性チェックを試して、どの部分がどれくらい固いのか確認してみて。部分別のストレッチ方法や、体を柔らかくするメリットなどもまとめました。教えていただいたのは、美宅玲子先生です!

体が固い原因

ストレッチをする女性
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体が固いとは、関節の可動域が少ないことを意味します。関節の可動域が少ないのは、骨と骨を結んでいる筋肉が緊張していて、ゆるみにくいため。また、筋肉が伸び縮みする弾力性が少なくなっているためでもあります。

体が固いのは生まれつきである、と思っている方もいますが、赤ちゃんの頃は誰でも柔らかいです。成長する過程で、関節の可動域をあまり使わない生活をしたり、骨の成長の早さに筋肉の成長が追い付かない時期があったり、精神的にも緊張しやすい状態が続くなどして、徐々に筋肉が固くなっていくのです。

体の固さをチェックする方法

まずは動画でチェック方法を確認!

ももの裏側の筋肉の柔軟性チェック

仰向けになり、両脚を伸ばします。右脚を伸ばしたまま上に持ち上げて、何度くらい上げられたかをチェックします。その際、床に置いている左脚は浮かないように気を付けましょう。

標準は80~85度くらいですが、柔軟性があるという目安は90度上がることです。80度を下回る場合は、ももの裏側の筋肉が固いことが分かります。

ももの表・腸腰筋の柔軟性チェック

うつ伏せになり、両脚を伸ばします。その際鼠径部が床についているかどうかチェックします。鼠径部が床から浮いてしまうのは、腸腰筋が硬いからです。

鼠径部は床につくけれど、膝を交互に勢いをつけて曲げた時、かかとがお尻につかない、または鼠径部が浮いてきてしまう場合は、ももの表と腸腰筋が硬いことが分かります。

体を柔らかくするメリット

体の柔らかい女性
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日常生活や運動に余裕ができる

体を柔らかくする=関節の可動域を増やすことで、日常生活の動作(しゃがむ、またぐ、上を向く、手を上げるなど)に余裕ができ、楽になります。体を動かすことがおっくうでなくなるでしょう。また体を動かすことへのハードルが下がり、積極的になります。

精神的な緊張・こわばりが取れやすい

体が柔らかい=筋肉がリラックスしていて柔らかいと、精神的にもリラックスしてストレスがたまりにくくなります。精神的なストレスや緊張は、筋肉の緊張になって表れます。歯を食いしばる、眉間にしわを寄せる、手をぎゅっと握る、肩が持ち上がるなど…。

体を柔らかく保つことは、それら精神的な緊張からくる筋肉の緊張を和らげる方法を知っているということです。

ケガの予防、末端の血流がいい

体が柔らかいと、例えば転んだり捻挫をしそうになった時に、体勢をすぐ立て直すことができ、大きなけがを防止することができます。また筋肉のこわばりが少なければ、末端まで血流がよく、冷えを予防することができます。さらにケガからの回復も早くなります。

ももの裏・股関節周りを柔らかくするストレッチ

STEP1:タオルを脚にかけて上へ

タオルを使って脚を上げるストレッチ
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仰向けに寝転がり、タオルなどを片方の足裏にかけて持ち上げます。その際、なるべく両脚とも伸びた状態にします。脚を伸ばしたまま掛けられる長さのタオルが望ましいでしょう。

膝が曲がらない高さまで脚を上げます。深呼吸を繰り返しながら、1分ほどストレッチをします。タオルを掛けた脚の足首を曲げ伸ばしすると、さらに脚全体の筋肉がほぐれます。

STEP2:脚を外側に開く

脚を外側に倒してストレッチ
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片足裏にタオルを掛けたまま持ち上げ、骨盤が動かない範囲で外側へ脚を開きます。骨盤が動かないようにするには、お腹の筋肉を引き締め腰やお尻を地面に押し付けるようにするといいです。

無理のないところまで開いたら、深呼吸を繰り返しながら30秒ほどストレッチをします。

STEP3:脚を内側に倒す

脚を内側に倒してストレッチ
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片足裏にタオルを掛けた状態で上に持ち上げ、骨盤が動かないように気をつけながら、タオルを掛けた脚を股関節から内側に倒します。無理のないところまで倒したら、深呼吸を繰り返しながら30秒ほどストレッチをします。

ももの表・腸腰筋を柔らかくするストレッチ

STEP1:うつ伏せになり、もし鼠径部が床から浮く場合は、浮いた部分を埋めるようにバスタオルなどを敷いておきます。
STEP2:片膝を曲げて手で持ち(腰痛などが出る場合はやめましょう。手が届かない場合は、タオルをかけて持ってもいいです)かかとをお尻に引き寄せます。
POINT:お尻に引き寄せると余計に鼠径部が浮いてしまう場合は、引き寄せずに曲げておくだけで構いません。
STEP3:余裕がある場合はかかとをお尻に引き寄せてさらに恥骨を床に押し付けるようにすると、腸腰筋やももの表の筋肉がさらに伸びます。
STEP4:もっと伸ばせる場合は、恥骨を床に押し付けたまま、膝を床から浮かせるようにします。
STEP5:深呼吸を繰り返しながら1分間ほどストレッチします。

ストレッチを行う際の注意点

マットの上に座る女性
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神経痛などの鋭い痛みがある場合は避けてください。またストレッチの最中に呼吸を止めない(呼吸ができないほど無理に伸ばさない)ようにしましょう。気持ちいい、痛気持ちいい、呼吸がしやすい程度で伸ばすように心がけてください。たまに1回長時間行うよりも、こまめに1分ずつ続けた方が効果的です。

どのくらい続けると効果を感じられる?

マットを持つ女性
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ストレッチをしたことがない人は、週2~3回でも1か月続ければ、体の変化を感じます。毎日ストレッチをすれば、もちろん効果は早いですが、もともとストレッチをしていない人は、頑張りすぎて伸ばしすぎ、筋肉痛になったり筋肉を傷めたりすることも。まずは、週2~3回から始めるのでいいと思います。

体を柔らかく保ってリラックス

芝生の上でストレッチする女性
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体が柔らかいと、怪我をしにくくなったり、ストレスが溜まりにくくなったりと良い効果がたくさん。まずは今回ご紹介した柔軟性チェック法を試してみてください。関節が固いと感じた方は、ストレッチを続けて少しずつこわばった筋肉をほぐしてあげましょう。

執筆者:
美宅 玲子