腸内フローラを改善してダイエット!痩せやすい体を作る生活習慣
腸内フローラとは?
腸内フローラとは大腸の中に存在している菌のことで、きちんとした名称にすると腸内細菌叢(ちょうないさいきんそう)と表します。顕微鏡でみるとまるでお花畑のように見えることからflora(お花畑のように植物が多数存在している状態)と呼ばれるようになりました。
個人差はありますが、一人の腸の中に存在する菌の種類は1000種類以上あり、重さにすると1kg〜2kgもあると言われます。そのため、一つの臓器に匹敵するほどの働きをもつとも言われ、健康、ダイエット、美容の分野において注目が集まっています。
腸内フローラとダイエット
近年の研究で、腸内フローラと太りやすさの関連があることがわかってきました。
とある有名な研究をご紹介しましょう。
A:痩せているヒトの腸内フローラを移植したマウス
B:太っているヒトの腸内フローラを移植したマウス
AとBとで比較すると、同じエサを与えていても、Bのグループのマウスだけ太ったという結果になりました。この報告を皮切りに、腸内フローラとダイエットとの関連について研究が日進月歩で進んでいます。
実際に、痩せている人には、痩せ菌(バクテロイデーテス門という種類の菌)が多く、太っている人にはデブ菌(ファーミキューテス門)が多いと言われています。つまり痩せ菌をふやす生活習慣に改めることで、ダイエットが成功しやすくなる、と言えるのです。
ただまだまだ世の中にエビデンスが十分に蓄積しているとは言えないので、これからも研究報告についてはチェックが必要です。
腸内フローラと摂取する食品
改善する食品
痩せ菌を増やすためにマストなのが「水溶性食物繊維」です。痩せ菌は水溶性食物繊維をエサにするためです。
食品でみると海藻類、きのこ類、雑穀、ねばねば系食材に多く含まれる傾向があります。例えば、もずく、昆布、えのき、大麦、おくら、納豆などです。腸内からやせ体質をつくりたい方は、ぜひそれらを毎日2品以上摂るようにしましょう。
その他にも冷やご飯に多いレジスタントスターチ、はちみつに含まれるオリゴ糖も痩せ菌のエサになることがわかっています。
控えたほうがいい食品
一方でデブ菌を増やす原因になりうるのが「油」です。デブ菌は脂質をエサにするという特徴をもつからです。揚げ物、中華料理、パスタやカレーなどのクリーミーなメニューを好まれる方は注意が必要です。
それらは1日でどれか1品までが目安です。飲み会やお付き合いなどで外食が多い方は特に要注意ですね。
意識的に焼き、蒸し、生で食べるメニューを多く摂るようにしましょう。たとえば焼き鳥、焼き魚、蒸し鶏、お刺身などです。
効果を上げるための食品の取り方
水溶性食物繊維の摂り方
水溶性食物繊維を習慣としてとれるよう工夫しましょう。一番おすすめは、ごはんを麦ごはんにすることです。
ごはんに混ぜるのは押し麦などですが、スーパーやコンビニなどで簡単に手に入ります。おかずだけで十分に繊維をとるのは意外に難しいので、主食でとる習慣を作っておきましょう。
質のいい油を摂る
余計な油を控え、代わりに質のいい油を摂るようにしましょう。
デブ菌を増やす原因になるので、揚げ物や中華料理などこってりとしたメニューは時々の楽しみとして食べるようにしましょう。盲点になりがちな、スナック菓子、クッキーなどの洋菓子も毎日だと食べ過ぎになります。
一方で、オリーブオイルやココナッツオイルは適度にとると、有用な菌を増やすことがわかってきています。キッチンに常備して、質の良い油を摂るようにできると良いですね。
腸内フローラダイエットの方法
太りにくい腸内フローラのバランスにすることと、お通じの良い状態をつくることが腸内フローラダイエットを成功させるポイントになります。
その方法は1〜3の通りです。
1.痩せ菌を増やす食事にする
・水溶性食物繊維をとる(海藻、きのこ、雑穀、ネバネバ系食材を積極的に)
・質の良い油(とくにココナッツオイルがおすすめ)をとる
・適度にごはんを食べる(極端な糖質制限はNG)
2.デブ菌を減らす食事にする
・揚げ物などこってりとしたメニューは多くても1日に1品までにする
・乳製品を取りすぎない
・洋菓子やスナック菓子をとりすぎない
3.便秘知らずの体をつくる
・朝食はできる限り毎日摂りましょう(固形食が難しい場合ドリンクでもOK)
・体を動かす習慣をつくるか、毎日8000歩以上歩くようにする
生活習慣で気を付けること
細かく言えば、「腸内フローラダイエットの方法」でご紹介した方法で生活習慣をつくることです。
ざっくりとお伝えするのであれば「和食を中心にして、バランスよく食べること」につきます。和食を中心にすることで、自然と痩せ菌をふやす食事になりやすいからです。
また偏らずバランスよく食べることで、腸内細菌の多様性(たようせい)を増やすことに繋がります。多様性とは、種類が多く、数も多く存在していることです。多様性が高い程、腸内環境は良いとされています。
改善は長期的に取り組む
腸内フローラの改善は長期的にとりくむことをおすすめします。腸内フローラのバランスが変わるのは早くて2ヶ月、遅くて1年以上といわれます。すぐに結果を求めようと焦ってしまうのは時間がもったいないですし、ストレスとして腸にも悪影響です。
2ヶ月以上のスパンで取り組むようにしましょう。ただし、始めてほんの1週間ほどでお通じやお腹のハリなど、体調面での変化を感じることがあります。
腸内フローラを改善して痩せやすい体に
腸内フローラは食生活や生活習慣で改善が期待できます。改善には長期的な取り組みが必要になりますが、ダイエットはもちろん健康や美容にも効果的と言われていますのでぜひ改善に取り組みたいですね。まずはできるところから始めてみてはいかがでしょうか。
- 執筆者:
- マカロン