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効果的な筋トレには順番が重要!専門家がポイントを解説

快適な身体づくり専門家・ボディワークトレーナー 1988年からフィットネスクラブのスタジオインストラクター、2003年からパーソナルトレーナーとして活動し、マンツーマンやグループを中心に健康維持…
2019年09月10日
筋トレを行うのであれば、より効果的に取り組みたいもの。そのためには、筋トレを行う順番が非常に大切なのです。今回はボディーワークトレーナーの金子由美先生に、効果的な筋トレの順番や重要ポイントについて教えていただきました。

効果的な筋トレには筋肉を鍛える順番が重要!

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筋トレでは「どの部位から始めるか」が重要な2つの理由

筋トレを行うには、どこから始めるのかが大事なポイントです。結論から言うと、大きな筋肉→小さな筋肉という順番がもっとも効果的です。

その理由は2つ。まずは、太もも・ふくらはぎ・お尻といった下半身の筋肉は上半身に比べると大きく、鍛える時にはより大きなエネルギーが必要となるためです。もし仮に腕・お腹などの小さな筋肉を先に使えば、疲労によって大きな筋肉を効果的に鍛えにくくなる可能性が高まります。

また筋肉を鍛える際、複数の筋肉が使われることも理由のひとつ。例えば胸を鍛えるトレーニングで腕立て伏せをした場合、腕の筋肉も一緒に働いて鍛えられています。大きな筋肉を動かすことで、周りにある筋肉も鍛えることにつながるわけです。

大きい筋肉を順番に紹介!

筋肉のどの部位が大きいのか、順位は以下の通りです。

1.腿の前(大腿四頭筋)
2.ふくらはぎ(下腿三頭筋)
3.腿の裏(ハムストリング)
4.お尻(大臀筋)
5.肩(三角筋)
6.胸(大胸筋)

ご覧の通り、4番目までが下半身の筋肉なのです!つまり、『大きな筋肉→小さな筋肉』とは『下半身→上半身』だともいえます。

筋トレ効果を上げる!筋トレ前後ストレッチについて紹介

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筋トレ前後ストレッチの効果とは?

筋トレなどの運動を行う前後にストレッチすることで、怪我の予防や体のダメージを軽減することができます

以下で、『筋トレ前→ダイナミック(動的)ストレッチ』と『筋トレ後→スタティック(静的)ストレッチ』の2種類についてご紹介します。筋トレの前後それぞれで、目的や効果に違いがあるので見ていきましょう。

筋トレ前にお勧めな『ダイナミック(動的)ストレッチ』とは

ダイナミック(動的)ストレッチは、関節や筋肉をダイナミックに動かしながら行うストレッチのこと。

たとえば、ラジオ体操をイメージしてみてください。腕を上げ下げしたり回したり、前屈や後屈などを繰り返しています。このように筋肉を動かして筋肉の温度や心拍数を上げるため、筋トレ前に行うことによって怪我の予防にもなるのです。

筋トレ後にお勧めな『スタティック(静的)ストレッチ』とは

スタティック(静的)ストレッチは、筋肉を一方向にじんわりと伸ばすストレッチです。

このストレッチは、弾みをつけず20秒以上維持しながら時間をかけて伸ばしていきます。それによって柔軟性やリラックス効果を高めてくれるため、筋トレ後にお勧めのストレッチなのです。

筋トレ効果を上げるには有酸素運動より筋トレを先に!

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トレーニング効果を高めるには、まず筋トレをしてから有酸素運動をすることをおすすめします。

これには、エネルギー代謝が深く関わっているのがポイント。糖や脂肪は、体を動かすことにより燃焼されます。有酸素運動は体に酸素を取り込みながら脂肪燃焼を促していきますが、まず糖を代謝してから脂肪がエネルギーとして使われます。一方、筋トレは無酸素運動なので糖を優先して代謝します。

つまり、筋トレで糖を消費しておくことで、先に有酸素運動を行うより効果的な脂肪燃焼が期待できるのです。また先に筋トレを行い基礎代謝を上げておくと、より脂肪燃焼しやすい体へ近づけるでしょう。

家でもできる!筋トレメニューの理想的な順番とは?

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家では道具を使わない自体重トレーニングがおすすめ

自宅で筋トレを行うには、道具を使わずにできる自体重トレーニングが手軽で良いでしょう。

大きな筋肉から始めると良いので、下半身→上半身→腹筋の順番で行なってみてください。以下でメニュー例①~④を順にご紹介していきます。

おすすめ筋トレメニュー

①スクワット 〜脚〜
足を肩幅くらいに開き、つま先はやや外向き
息を吸いながら股関節から曲げてお尻を下げる
最大で腿裏が床と平行まで下がったら、息を吐きながら立ち上がる

②ヒップリフト 〜お尻〜
仰向けになり両膝を立てる
両腕は体の横で手のひらを下にしたまま伸ばす
息を吐きながらお尻を上げ、吸いながら戻す

③プッシュアップ(腕立て伏せ)〜胸〜
手を肩幅より広めに開き、指先はやや内側に向ける
肩の下に手をつき頭から踵まで一直線に保つ(膝をつく場合は頭からお尻まで)
息を吸いながら肘を曲げ、胸を床に近づけ、吐きながら戻す
お腹が落ちて腰が反らないようにする

④シットアップ(腹筋)〜お腹〜
仰向けになり両膝を立てる
手を後頭部にあて息を吐きながら上体を上げ、吸いながら戻す

一連の筋トレメニューで押さえておきたい重要ポイント

スクワットやプッシュアップは、いろいろな関節を同時に使うトレーニングです。脚や腕など、特に強化したい部位はその後に行うと良いでしょう。

また腹筋を最後にする理由は、ほとんどのトレーニングで腹筋を使うため。もし先に腹筋をすると、姿勢を維持する力が弱くなる可能性があります。姿勢が維持できなくなるとフォームが乱れ、ターゲットとする筋肉に効果的な刺激が入らなくなることが考えられます。

効果的な順番を理解して筋トレにチャレンジ!

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人間の体には数多くの筋肉があります。鍛えたい、細くしたい部位は人それぞれ異なるでしょうが、より効果を期待するなら順番を押さえておくことが欠かせません。まずは下半身の筋肉からトレーニングし、基礎代謝を上げながら効率よく筋トレを実施してみましょう。

執筆者:
金子 由美