1日1杯から始めよう！味噌汁の健康効果とレシピを専門家が解説

味噌汁は62〜70度くらいが美味しく召し上がれる適温といえます。その温度はちょうど人の胃の動きを活発にする温度なのです。そのため、消化器の働きをよくし代謝を高める効果が期待できます。

参考
摂取する水の温度と量がヒトの胃運動に及ぼす影響（2010年、脇坂しおりら）

味噌は日本を代表する発酵食品です。乳酸菌や麹など、生きた有用な菌が腸内の環境を整えます。また味噌汁の具材は、わかめなどの海藻類、大根やにんじんなどの根菜類と食物繊維を含む食材が使われるため、それもまた有用な腸内細菌を増やすことにつながるのです。

食事の最初に味噌汁をすすると、空腹感が落ち着いた経験は誰しもあるのではないでしょうか。実は温かい汁物は、胃の動きをよくするだけでなく、胃壁を通じて脳の満腹中枢を刺激するのです。その結果、空腹感が落ち着き、食べすぎを防ぐことにつながると言えます。

10〜30代の女性は、慢性的なからだの冷えを抱えている方が多いです。よく「冷えは万病のもと」とも言われますが、冷えにより血流不良がおき、免疫力が低下し風邪を引きやすくなったり、重い生理痛を始めとする婦人科系疾患に悩まされることも増えてきます。

味噌汁は体を温める働きがあるので、冷えが気になっている方にはおすすめの食べ物なんです。

腸内環境が、免疫機能やアレルギー、メンタルと関連しているということがわかりつつあります。腸内環境をよくする活動のことを「腸活」といいますが、味噌汁こそ実は代表的な腸活フードなのです。

発酵食品である味噌には、乳酸菌やビフィズス菌が含まれており、これが体内で非常に有用な働きをします。また味噌汁の具材である、わかめ、のりなどの海藻類、だいこんやにんじん、ごぼうなどの根菜類は食物繊維を多く含み有用な菌を増やします。結果として、腸内環境が整いやすいのです。

関連記事
「腸活ダイエット」におすすめの食材は？食育指導士推奨の生活習慣

1日に1杯以上、味噌汁を飲みます。朝、昼、晩のどの食事でもOKですが、必ず食事の最初に飲むのがポイントです。

味噌汁を最初に飲むことで、血糖値が上がりにくくなります。それによりダイエット効果が期待できます。さらに、満腹感が増えるので食べすぎを防ぐことができ一石二鳥です。

ある程度健康な方で、塩分の制限がない方であれば、1日に2〜3杯を食しても大丈夫です。デスクでのランチや、小腹が空いたときの間食など好きなタイミングで取り入れましょう。

順天堂大学医学部教授の小林裕幸氏が考案されたのが「スペシャル味噌」です。

＜材料＞
・赤味噌　80g
・白味噌 80g
・玉ねぎ　１つ
・リンゴ酢　大さじ1

＜作り方＞
1．玉ねぎをすりおろす
2．すりおろした玉ねぎに、赤味噌、白味噌、リンゴ酢を加えてよく混ぜる
3．10等分して、製氷皿に入れて数時間凍らせたら完成。

完成したスペシャル味噌はそのままお湯に溶かして味噌汁としてお召し上がりいただけます。

味噌と相性が良いのが食物繊維です。食物繊維を多く摂れる具材、ついでに良質なたんぱく質もとれると代謝をアップさせる効果も得られます。

おすすめ1：とろろこんぶ＋たまねぎ
とろろこんぶには水溶性食物繊維、たまねぎにはオリゴ糖が含まれます。これは乳酸菌やビフィズス菌などの有用な菌のえさになり、結果的に腸内環境を整えることにつながります。

おすすめ2：わかめ＋豆腐
わかめにも水溶性食物繊維、豆腐にもオリゴ糖が含まれているため腸内環境にとってはプラス。さらに豆腐に含まれるたんぱく質は、ダイエットで大変重要な筋肉の材料になります。

味噌汁には消化器の働きを良くしたり、腸内環境を整えたりと身体に嬉しい効果が期待できます。また、代謝を高めたり食べすぎを防げたりするのでダイエットにも上手に取り入れたいですね。

まずは1日1杯を上手に取り入れて、健康的な美を手に入れてください。