ウエストを測る女性 ウエストを測る女性
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メタボなウエストにサヨナラ!専門家が具体的な改善策を解説

管理栄養士をしています。現在フリーランスとしてダイエットの食事指導やいろいろな栄養相談にお答えしています。自身も20kgのダイエットに成功しました。
2019年07月27日
メタボリックシンドロームの判断基準をご存知ですか?今回は管理栄養士の*satomi*先生にメタボリックシンドロームが及ぼすリスクや判断基準をはじめ、改善のための食生活や取り入れたい習慣などを教えていただきました。

メタボリックシンドロームとは?

お腹の前でハートを作る女性
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メタボリックシンドロームは、内臓脂肪型肥満に加え、高血糖、高血圧、脂質代謝異常のうち2つ以上の数値が基準値よりも高くなっている状態をいいます。内臓脂肪は皮下脂肪と違い、内臓の周りに脂肪がついている状態です。

この内臓脂肪が一定以上あると、さまざまな健康被害にかかるリスクが高くなるといわれています。加えて、メタボリックシンドロームと診断された方は、内臓脂肪面積が100平方センチメートル以上(畳1畳分以上)あるとされています。

現在、メタボリックシンドロームの予備軍、強く疑われる人を合わせると、男性は2人に1人、女性は5人に1人いると言われています。

参考
メタボリックシンドローム該当者・予備群の状況

メタボリックシンドロームの診断基準

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腹囲の数値

ウエストというとくびれの部分を想像する方も多いですが、メタボリックシンドロームの基準では「へそ周り」を測ります

男性は85cm以上、女性は90cm以上がメタボリックシンドロームの診断基準です。

血糖・血圧・脂質での判断基準

腹囲の数値に加え、血糖、血圧、脂質のうち2つ以上当てはまる方はメタボリックシンドロームと診断されます。

【血糖】
空腹時血糖100mg/dl以上

【血圧】
収縮期血圧130mmHg以上
または
拡張期血圧85mmHg以上
もしくは両方

【脂質】
中性脂肪150mg/dl以上
または
HDL(善玉)コレステロール40mg/dl未満
もしくは両方

改善のために気をつけたい食生活

お腹をおさえる女性
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3食きちんと食べる!

毎日の食事は、3食きちんと食べることが重要。

欠食をしてしまうと体はエネルギーが足りないと感じ、エネルギーを体内に溜めやすくなってしまうため、痩せにくい体になってしまいます。

バランスの良さも重要

ご飯、パン、麺などの炭水化物、肉、魚、卵、豆腐などの大豆製品のたんぱく質、野菜、きのこ、海藻類などの野菜類を必ずそろえるようにしましょう。

分量は、炭水化物であるご飯はお茶碗1杯(パンなら6枚切り1枚、麺類なら1玉)、たんぱく質は片手のひら(指の付け根まで)、野菜類は両手1杯分を目安にしてみてください。

炭水化物は脳や体を動かすエネルギー源に、たんぱく質は筋肉や体の組織を作る野菜類は体の調子を整える作用があります。

油のとりすぎに注意!

油のとりすぎには十分に気をつけましょう。油の摂りすぎはエネルギーの摂りすぎになってしまいます。

揚げ物は衣をはがす、肉の脂身は除くなどうまく対処しましょう。1日に摂取する油の量は、ティースプーン3杯程度にするなどがポイントです。

塩分の摂りすぎにも気をつける

塩分についても、摂りすぎないよう気をつけてください。塩分の摂りすぎは、血圧を上げる原因となるばかりか腎臓にも負担をかけます。

醤油やソースは、かけるのではなくつけて食べるようにしましょう。また、わさびやしょうがなどの薬味や酢などの酸味、カレー粉などの香辛料を使い、味にアクセントをつけるのもいいですね。焦げ目をつけて風味をつけるのでも、塩分を抑えることができます。

空腹時に食べる食品も重要

お腹が空いたとき、菓子類ではなく栄養価のある豆乳や魚肉ソーセージを食べるというのもポイント。

菓子類は糖分、脂質、塩分が高い場合が多いです。そのため、菓子類ではなく豆乳や魚肉ソーセージなどの栄養価がある食材を食べることが重要となります。

特にたんぱく質は空腹を抑える働きが。この他では、豆乳には糖質や脂質をエネルギーに変えるビタミンB群、抗酸化作用があるビタミンEが含まれています。魚肉ソーセージにはたんぱく質のほかにDHAやEPAが多く含まれており、炎症を抑えたりコレステロールを下げたりする効果があります。

休肝日を作る

お酒を飲んだときは、糖質や脂質よりもアルコール代謝が優先的に行われます。そうすると血糖値がずっと高いままなので、血糖値を下げるインスリンがたくさん出て、体に脂肪がたまりやすくなることに。そのため、お酒は毎日飲まず休刊日を作るようにしましょう。

できれば週に2日程度に抑えられると良いですね。

普段から取り入れたいこと

ダンベルやサラダ
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メタボリックシンドローム改善のためには、積極的に運動をするようにしましょう。運動することで、エネルギー消費量が増えて脂肪が燃焼されやすくなり、脂肪減少の効率が良くなります。できれば1日に30分以上できると良いですね。

特にウォーキング、ジョギング、水泳などの有酸素運動が効果的。有酸素運動は、筋トレなどの無酸素運動よりも脂肪を効率的に燃焼させることができます。

最初から毎日運動しようとすると途中で辛くなってしまうため、普段はエレベーターやエスカレーターを使っている所を階段にしたり、電車やバスを1駅前で降りて1駅分歩いたりすると良いですね。また、いつも車で移動しているところを自転車や徒歩にするのも効果的です。 

普段から食事・生活スタイルに気をつけてメタボを改善!

ジョギングをするスタイルのいい女性
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「もしかしてメタボなウエストになってきているかも?」と思ったなら、生活習慣を見直すベストタイミング。

普段の生活を振り返り、メタボ体質に近づきつつある要素を少しずつ改善していきましょう。毎日少しでも体を動かす時間を設け、体内にエネルギーをため込み過ぎず燃焼するタイミングを作ってみてください。

執筆者:
*satomi*