つらい便秘解消に！即効性が期待できる食べ物とおすすめレシピ

健康的な便は80％が水分でできており、残りの20％が食べかす、腸内細菌、剥がれた腸粘膜などです。水分が不足した便は、カサが足りなくなったり、硬くて出づらくなったりするため、便秘を引き起こしやすくなります。

トイレに行く回数を減らしたいから、忙しいから……と水分補給をおろそかにしていないか、普段の生活を見直してみてください。

食物繊維が便秘予防に役立つことはよく知られています。野菜に多く含まれる「不溶性食物繊維」と、海藻や雑穀に多く含まれる「水溶性食物繊維」のどちらが不足しても、便秘の原因になりえます。

食後、とくに朝食のあとは腸のぜん動運動（筋肉の収縮によるうごめくような運動）が起きやすい状態です。しかしストレスや運動不足、筋肉量低下などの要因でぜん動運動が起こりにくくなると、便意を感じなくなってしまいます。

これらのほか、腸内細菌のバランスや薬の副作用などが原因で便秘になることもあります。

「お肌は腸内を映す鏡」と言われるとおり、腸内環境はお肌の状態にさまざまな影響を及ぼします。

便が出ずに腸に長くとどまっていると、硫化水素やアンモニアなどの有害物質が発生。それが腸管から吸収され、肌荒れの原因になるのです。また、お肌の新陳代謝をサポートするビタミンB群を産生する腸内細菌のはたらきも、便秘の状態では低下してしまいます。

私たちの体内では、「幸せホルモン」と呼ばれるセロトニンが日々産生されており、それが前向きな気持ちやストレスに負けない精神を支えてくれています。そして体内のセロトニンの80％は腸内でつくられるもの。便秘などで腸内環境が乱れてしまうと、セロトニンの産生も落ちると考えられます。

この関係は「脳腸相関」といって、近年注目を集めています。便秘のときになぜだか気分がどんよりして、お通じがあると気持ちも晴れやかになる……というのは経験からご存知の方も多いのではないでしょうか。

水分不足は便秘の要因のひとつ。体型に合わせてしっかりと水分を補給しましょう。大人の場合、男性で2L、女性で1.8Lが1日の目安です。

ただし、カフェインを含むコーヒーやお茶、お酒には利尿作用があるため、必要な水分まで尿として外に出してしまいます。お酒やコーヒーなどを飲む場合は、それと同量の水を飲むようにしましょう。また、一度に飲む量は多くてもコップ1杯とし、こまめにとるのがコツです。

2種類の食物繊維は、どちらも便秘予防に効果が期待できます。野菜などに多く含まれる不溶性食物繊維には便のかさを増やす役割がありますが、これだけでは便が出ない方も。もう一方の水溶性食物繊維も加わることで、便がやわらかくなり出やすくなります。

便秘解消効果の期待できる水溶性食物繊維は、次の食材に多く含まれています。
・海藻（もずく、昆布、めかぶなど）
・雑穀（押し麦など）
・ネバネバ食材（納豆、おくらなど）
・アボカド

このほか、冷めたごはん、あんこ、ポテトサラダなど冷たい炭水化物もおすすめ。これらには「レジスタントスターチ」という腸内細菌のえさになる糖質が含まれています。

普段はパンを食べている朝食を納豆麦ご飯にする、小鉢にもずくやめかぶの酢の物を召し上がるなど、工夫して取り入れてみてください。

納豆やオクラなどのネバネバ食材をたっぷり使ったメニュー。これで1日分の目安に相当する水溶性食物繊維を摂取できます。

＜材料＞
・冷めた麦ご飯
・納豆　1パック
・きざみオクラ　片手のひら分
・とろろ
・だし醤油

＜作り方＞
麦ごはんを丼によそい、その上に納豆1パック、きざみオクラととろろを乗せます。仕上げにだし醤油をかけたら出来上がりです。

こちらも簡単に水溶性食物繊維を補えるメニュー。

いつもの味噌汁の具材に、焼き海苔0.5～1枚をちぎって加えるだけです。味噌汁はインスタントでも問題ありません。

お肌や心にも悪影響を与えるリスクのある便秘。十分な水分と食物繊維を摂って、内側から解消を目指しましょう！

便秘解消メニューは、腸のぜん動運動が活発になる朝食後の時間を目がけて取り入れるのがおすすめです。朝食メニューを工夫して、朝からすっきりハッピーな一日を過ごしてくださいね。