呼吸は全身のマッサージ。背中・腰のコリを和らげる「胸式呼吸」の方法
猫背・巻き肩で腰痛になるわけ
猫背や巻き肩(肩が前・内側へ巻き込んでいる)の姿勢になると、前に出ている肩に、後ろの背中の筋肉が引っ張られて、背中や腰の筋肉が緊張します。それが背中や腰の筋肉の張りの原因です。
それが一時的でなく、継続的に固定した姿勢になってしまうことで、引っ張りに耐えられずに腰痛を感じるようになります。
反った姿勢が腰痛につながるわけ
一見姿勢がよく見える、反った姿勢も、背中や腰の筋肉を過剰に縮めているので、背中や腰の筋肉が使われ過ぎて疲れて硬くなるため、腰痛や背中の凝りの原因になります。
過剰に胸を張ろうとして胸が緊張していると、横隔膜も緊張します。横隔膜は背中につながっているので、背中も緊張が伝わり、背中から腰が凝ったり痛くなったりする原因になります。
胸式呼吸が、腰痛の原因を取り去るわけ
胸周りを膨らませ、お腹を引き締めたままにする胸式呼吸が、腰や背中の硬さをゆるめ、腰痛に作用するのはなぜでしょうか。
猫背や巻き肩タイプの場合は、肋骨や鎖骨の周りが縮んで硬くなっています。胸式呼吸では、肋骨や鎖骨の周りを大きく動かし、硬くなった胸周りをゆるめほぐしてくれます。それが背中や腰をゆるめリセットすることにつながります
また、反ったタイプで横隔膜が緊張している場合、呼吸法は横隔膜を刺激し、よく動かして弾力のある状態にします。それが、背中や腰の緊張を和らげてくれます。呼吸はセラピスト、という言葉もあるくらい、深い呼吸をすることで身体がすみずみまでマッサージされてほぐれるのです。
胸式呼吸をしてみよう
小さくて壊れそうな椅子に座ったイメージで、お尻をコンパクトにまとめて座ります。そうすると、骨盤底からウエスト周りにかけてのインナーマッスルが働いて、お腹を引き締めた状態を保てます。
ウエストを引き締めたまま、肋骨周りの胸板を厚くするようなイメージで、大きく鼻から息を吸います。口から細く長く息を吐きだして、広がった肋骨・胸板が元に戻りすぼまるようにします。
呼吸で動く肋骨や鎖骨、肩甲骨など胸の周りは、風船のようにしなやかに広がったりすぼんだりする意識を持ちます。風船のように伸び縮みさせるうちに、本来の弾力を取り戻し、凝り固まった姿勢をリセットし、背中や腰の硬さや痛みを予防していきます。
おわりに
いかがでしたか?呼吸によって体の余分な緊張がゆるんでいくので、背中や腰に限らず、様々な場所に息を入れるイメージで深い呼吸をすることは、とても役立ちます。姿勢がリセットされ、心もすっきりすることでしょう。どうぞお役立てください。
- 執筆者:
- 美宅 玲子