初心者に嬉しい!スポーツ経験がない人ほどやりやすい、ピラティスの話
今回は、ピラティスに興味を持っていても「運動経験もないから難しいかな」と思っている方の参考になる情報をお届けします。
スポーツ経験がある人が、ピラティスに苦戦する理由
特定のスポーツの経験がある人は、そのスポーツに特有な身体の使い方を繰り返し練習しているため、自分の筋肉の使い方にクセがついています。反射的に全身の筋肉が反応して、身体が動いてしまうのですね。
特に、スポーツは全身を使ってダイナミックに動くので、脚や腕などのアウターマッスルをメインに使いますし、それを前提にトレーニングをしています。
一方ピラティスは、アウターマッスルは補助的に使いますが、意識はインナーマッスル(姿勢を維持する奥の筋肉)に置いてエクササイズをします。インナーマッスルは、アウターマッスルをメインに意識をすると休んでしまう特徴があり、アウターマッスルをリラックスさせるとインナーマッスルを意識して活性化させやすいと言われています。
スポーツを続けていた人は、アウターマッスルを使って体幹を『固めて』運動をしていたりで、余分な緊張や力みがあり、それがパフォーマンスを下げる原因になっていることがあります。
ピラティスは、スポーツでがしがし使っていたアウターマッスルをリラックスさせながら、インナーマッスルを意識して身体を動かすため、スポーツ経験がある人が同じ動きをしようとしても、どうしてもスポーツのクセでアウターマッスルをメインに使ってしまい、インナーマッスルがお休みしてしまうので、ピラティスで言われているエクササイズを正しく再現できなくて、非常に苦戦します。
スポーツ経験がない人が、ピラティスに取り組みやすい理由
一方スポーツ経験がない人は、スポーツ特有の身体の使い方・筋肉の使い方のクセがありません。インナーマッスルを使おうとしてもアウターマッスルを使ってしまうような、強固な身体の思い込みがないのです。
身体の使い方に対して先入観がないので「インナーマッスルをこうして使います」と言われたら「そうですか」と体が素直に言うことを聞いてくれるのです。余分なクセを抜く努力なしに1から体を教育していくことができるので、スポーツ経験がない人は、案外上達が早いことがあります。
ピラティスは、もともと第1次世界大戦の負傷した兵士のリハビリに使われてきたことからも、体がうまく使えなくなったところからのリハビリや、体力がない人に対して親和性があります。
ピラティスは、脳や神経のトレーニングであるとも言えます。身体の使い方は、脳が指令を出して神経に信号が通り、筋肉に伝えられて筋肉が収縮して体が動く回路を開発していくことでもあります。
スポーツ経験がある人は、ピラティスの回路をつくる前にスポーツの回路が強固過ぎて、新しい回路をつくるのに苦戦するのですが、スポーツ経験がない人は、特定の強い回路がないため、ピラティスの回路を開通するのが比較的楽です。
おわりに
いかがでしたか?ピラティスは、特定のスポーツと違って、日常生活や様々なスポーツの土台となる体の動かし方・筋肉の使い方を学ぶエクササイズです。
何にでも応用がきくので、他のスポーツをされている方、表現活動をされている方の役に立ちます。初めてでも、興味のある方は気軽に取り組んでみてくださいね。
- 出典:
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- fotolia
執筆者
中学から大学まで陸上競技に打ち込み、全日本インターカレッジ出場。姿勢や効率の良い体の動かし方に興味がある一方、メンタルの繊細さもあり摂食障害になってしまう。大学卒業後に小学校教員となるが、「いい先生で…